突然、自分の書いていたミステリー小説の世界に紛れてしまった俺はミステリーに尽く馬鹿にされる。
no.name
第1話
俺の名前は阿笠栗栖。
一応、ミステリー小説家と言うやつをやっている。
何故、一応かというと売れない作家と言う奴だからだ。
新人賞を取って処作を売り出したが、初めはそこそこだけ売れ、次作を何作か書いたがズタボロに叩かれた挙句、出版社が手を引く赤字作家になった。
なんでも、ミステリーのトリックが甘すぎだとか在り来りとか、深く感情移入出来ない犯人像とか。
兎に角ボロクソに言われ、編集からは作品カテゴリーを変更したらどうだとまで言われた。
言われたが、俺はミステリーが好きなんだ!
ミステリーが好きだからミステリー作家になったんだ!
それなのに、それなのに!
「腹、減ったな」
また、水でも飲んで、寝て紛らわすか。
俺は朦朧とした意識の中、水道水を飲み再びパソコンに向かい新たなミステリー小説を書いていた。
「今度の奴は見た奴らにギャフンと言わせられる出来だ、見てろよ編集」
送信ボタンを押して俺は机に突っ伏した。
「集中し過ぎて3日も完徹しちまったぜ。はは」
そして、力尽きた俺はそのまま眠りについた。
その後の事は夢なのか何なのかよく分からない。
気が付いたら、俺は自分の書いたミステリー小説の中にいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます