32話 それがないのはさすがに困ること 前編
それがないのはさすがに困ること 前編
「イチロー!」
「あ、おはようございますキャシディさん」
神崎さんと組んでネオゾンビをボコした翌日。
朝起きて階下へ向かう途中、キャシディさんに呼び止められた。
彼女はドアから顔を出して俺を手招きしている。
なんぞなんぞ?
「タイヘン!コッチコッチ!」
抱えていたサクラを下ろし、キャシディさんたち外人部隊3人が寝室にしている会議室へ向かう。
なんかちょっと焦ってる風だが、本当にどうしたんだろうか。
「わっつはぷん?」
「カムイン!」
「うおお!?」
ドアの前に到達するや否や、俺は手を掴まれて中に引きずり込まれた。
怪我人の癖に力が強い!!
さすがエリート軍人!!
「『ね、コレじゃ外に出ていけないでしょ?子供たちの教育にも悪いし・・・あら?なんで目を閉じてるの?』」
「・・・状況は理解しましたので、とりあえずシーツか何かを巻いてはいかがかな?」
部屋に入るとキャシディさんは全裸だった。
可及的速やかに目を閉じたので、裁判になっても負けることはないだろう。
・・・負けるかもしれん。
「あー・・・『服、ないんですか?予備とか』」
「フク、アトスコシ、ダイジョブ!デモシタギ、ナイ!」
・・・下着がない?
じゃあなんで全部脱いでるんだろうか。
「アニーさんや、エマさんの分を借りる・・・のはちょっとなあ」
俺が大木くんからパンツ借りるようなもんだ。
個人的に抵抗がある。
キャシディさんたちはここまで長く滞在する予定はなかったから、予備の数が少なかったのかもしれん。
「ノー!サイズ、チガウ!『何がとは言わないけどアタシが一番大きいからね、うふ』」
「・・・サイズ」
この問題に対する言及は避けよう。
うかつに触れれば大やけどだ。
・・・アレ?じゃあなんで俺に相談したの!?
しかし下着・・・下着か。
俺の立場になって考えてみても、不便極まりない。
ここはアニーさんにでもサイズを確認してもらって速やかに調達を―――
「『キャシー、朝食の時間だぞ。今日は自家製トーストに自家製ジャムが素敵・・・ほう』」
背後でドアが開き、アニーさんの声がした。
・・・タイミングの神サマ、俺にいったい何の恨みがおありですか?
「・・・なんだなんだイチロー!やればできるじゃないか!!朝から楽しそうなことをしているなあ!!」
「っひ!?」
目を閉じているので反応できず、俺は後ろから抱き着かれた。
心眼が、心眼が欲しい!!
殺気がないとマジで何もわからん!!
「だが気に入らんなあ・・・?何故私を呼ばない?アレか?バストサイズの関係か?」
「誤解です!誤解なんです!!」
くっそ!的確に力が出ない箇所を押さえてやがる!
こんな所で関節技の才能を発揮しないでください!!
「5回!?5回もしたのか!?この短時間で!?」
だがアニーさんは止まるどころか加速した。
そんなギャグマンガみたいな聞き間違いとかある!?
息が荒い!!
ひええ!耳に息を吹きかけないでくださいよ!!!
「誰かー!!誰か女の人呼んでえええええええええええええええええええっ!!!!」
「『アラ、何か勘違いしているみたい・・・乗っかっちゃおっかな♪明るいうちからってのも素敵よね♪』」
ウワー!!前方からキャシディさんが動く気配がする!!
助けて!誰か助けて!!
「みんな朝から元気でいいわねえ」
それから俺の必死の弁明を聞きつけ、斑鳩さんが駆けつけてくれたことによってなんとか助かった。
ギリギリ致命傷で済んだぜ・・・
キャシディさんは、今はもう服を着ているので田中野心眼モードは解除できた。
なんか居心地悪そうに身をよじっているのは、まあ・・・下着がないからだろう。
ノーコメントである。
「よくよく考えてみればイチローに朝っぱらから女を剥くカイショウはなかったな、私としたことが」
「朝っぱらからひどいけど正気に戻ってくれてありがとうございます」
平静を取り戻したアニーさんにディスられるが、甘んじて受け入れるとしよう。
「まあ、ここの所は予定もないんで・・・キャシディさんの下着を調達してきますよ」
「その発言だけ聞くとまるでHENTAIだな」
「聞かないでください」
アニーさん、リアクションの取れない発言をしないでいただきたい。
勿論女性を連れて行くってば!!
「さあさあ、とりあえず朝ご飯にしましょ。食べないと力が出ないわよ、みんな」
・・・斑鳩さんの言う通り、力が出ないから飯を食おう。
っていうか朝から本当に疲れた・・・
アニーさんたちに続いて部屋から出ようとすると、最後尾のキャシディさんが肩に手を置く。
「・・・カワイイノ、ヨロシク♪」
「・・・『ベストを尽くします、はい』」
そう答えることしか、俺にはできなかった。
・・☆・・
「おいおいおい、こりゃどういうこったよ。別嬪さんが増えたのは聞いてたが、また別の別嬪さんがいるじゃねえか!」
「俺にも皆目見当がつかない。アレだよ、なんちゅうか・・・めぐり合わせ?」
朝飯を食い、しばし休憩した。
キャシディさんの下着の件を神崎さんに相談しようとしていたところ・・・モンドのおっちゃんがやってきた。
「ふわぁ・・・おっきいねえ!おにいさん!」
「ウチ、こんな近くで見るの初めてですっ!」
なお、今日一緒に来たのは由紀子ちゃんと比奈ちゃんだ。
おばちゃんを始め、美玖ちゃん一家は留守番のため、今日は来ていない。
友愛から山中一家がレオンくんの顔を見に来るらしいのだ。
小鳥遊さんも参加して、おもてなしをするとのこと。
で、おっちゃんたちは馬房の前でヴィルヴァルゲに見とれているというわけだ。
何度見ても大迫力だからな、初対面ではその迫力はより一層インパクトがあるだろう。
「このまま動物園にでもしちまうつもりか?おい?」
「・・・正直それもいいんじゃないかと思い始めてるよ。七塚原先輩は牧場にしたいらしいけども」
子供たちの情操教育にもいいし、牛やヤギなんかは肉にしなくても乳が飲めるからな。
「そうまでしちまうと余計な連中が湧くだろうが・・・まあ、ここなら大丈夫だな。南雲流が3人に、狙撃手までいやがる・・・むしろ襲って来る連中に同情するぜ」
残念、光の爆弾魔もいるから安全性はもっと上なんだな。
気付けばここの防御力とんでもないことになってんな・・・
たしかに襲撃者が可哀そうに・・・特にならんな。
「ひん!ぶるるっ!!」
「ぷわわわわっ!?あはは、かわいい~!」
「お日様の匂いがします~!」
ゾンちゃんが由紀子ちゃんの顔を舐め回し、2人に撫でられている。
・・・気に入られたみたいだな、よかった。
ヴィルヴァルゲは馬房の奥でくつろいでいる・・・どうやらおかあちゃん的にも認められたようだ。
「帰ったら早速美玖に教えてやらねえとな。明日にでも来たいとか言いそうだけどよ」
「どんどん来たらいいよ、美玖ちゃんなら大歓迎さ」
ゾンちゃんもどんどんお姉ちゃんが増えるしな。
大勢に可愛がってもらわんと。
「・・・で?朝霞はそんなとこで何してんだ」
そして、倉庫の脇から俺を窺う朝霞に声をかける。
今日は巻き付いてこないのな。
「・・・増えたし、妹系が増えたし」
「何だその系統」
ジト目の朝霞は・・・由紀子ちゃんたちを見ている。
何か気に入らんのか?
「あーしが唯一の妹枠だったはずだし・・・」
「本日も相変わらずわけわからんが、俺実の妹居るんだわ、悪いけど」
なんだよ妹枠って。
変なジャンルを勝手に作るな。
っていうか知り合った順番ならお前が3番目になるんだが?
美玖ちゃん入れれば4人目だし、璃子ちゃんもいるから5人目なんだが?
「しょうがないから・・・キッチリ序列を叩き込んでやるし・・・牙島のオンナ舐めんなし・・・」
ゆら、と倉庫から足を踏み出し、朝霞は2人に向かって行く。
なんだよその謎の緊張感は。
もっと他の場面で出せ。
「・・・あ、おはようござっす!!荒川朝霞です!よろしくお願いしゃっす!!」
「おうおう、元気がいいねえ。よろしくな、中村モンドだ」
が、根は育ちのいい朝霞。
しっかりとおっちゃんに頭を下げて挨拶している。
こういう所に性根って出るよなあ。
「ブルル」
「あでで」
いつの間にか接近していたヴィルヴァルゲが、肩を軽く噛んできた。
騒がしかったのかな?
「おはようヴィルかあちゃん、あの子たちは何処に出しても恥ずかしくない、とってもいい子たちなんだ。娘さんの情操教育にもいいぞ、たぶん」
その鼻面を撫でてやると、彼女は軽く嘶いて頬に顔を寄せてきた。
うーん、毛並みが気持ちいい。
エマさんのブラッシングの効果かなあ?
由紀子ちゃんたちと何やら話し込む朝霞を見ながら、肩に乗ったヴィルヴァルゲの重さを感じていた。
・・・おっも!?お前体重かけてきすぎだよ!!
慣れてきたからか、意外とお茶目さんな性格してんな!?
現役時代はさぞじゃじゃ馬だったんだろうな!
・・☆・・
「んでは!しゅっぱ~つ!!」
「「おーっ!!」」
愛車の車内が騒がしい、とても。
「仲良くなるの早すぎだろキミタチ。まあいいけどさ」
正門を通過し、道に出る。
大木チューンによって重々しくなったエンジン音が頼もしい限りである。
「妹枠でレンゴー組んだし!敵の敵は味方だし!」
「さいですか、もう何も言わん」
「お姉ちゃんができたみたいで嬉しいです!ウチ!」
助手席には朝霞と、その膝の上に比奈ちゃん。
比奈ちゃんはちっこいので特に苦しくはなさそうだ。
「おにいさんの親戚だしね!悪い人なわけないからね!」
そして、座席後ろのスペースには由紀子ちゃん。
・・・親戚ってだけで無条件で信頼するのは危険だと思うな、俺。
まあ、朝霞は悪い人間じゃないが。
ちょっとアホな子なだけで。
しっかしまあ、一瞬で仲良くなったもんだよ。
喧嘩を期待したわけじゃあないけども。
「まあ、そんならいいけど・・・何故こうなった」
「キャシーちゃんの下着チョウタツっしょ?」
「いや、目的はそれなんだけどな・・・」
俺達が向かっている場所・・・それは、硲谷にある衣料品店だ。
目的は当初の通り、キャシディさんの下着を調達・・・朝霞が言った通りだ。
だが問題は何故この布陣かということだよ。
「モンドのおじいさんがいれば百人力だよねえ、おにいさん!」
「にいちゃんもいるから無敵っしょ!無敵!」
・・・そう、そうなのだ。
「・・・おっちゃんの言うことも、まあわかるんだけどさあ」
バックミラーには、おっちゃんの運転するワゴン車が見える。
その助手席には、なにやら楽しそうに談笑しているアニーさんの姿もある。
日本語で話してるんだろうか。
おっちゃんたちが来たから少し出鼻をくじかれたものの、気を取り直した俺は神崎さんを探した。
キャシディさんに頼まれた依頼・・・下着の調達の相談のためだ。
だが、探せども探せども神崎さんの姿はなかった。
すわ失踪、もしくは行方不明か!?と一瞬焦ったのだが。
『リンなら早朝にアカネが迎えに来てリュウグウへ行ったぞ。なんでも、大規模なブリーフィングが行われるらしい』
という、アニーさんの説明に胸をなでおろした。
大規模会議・・・なにか大きな作戦でも始まるのだろうか。
ともかく、神崎さんが蒸発したわけではないのはよかった。
よかったのだが・・・例の件が相談できなくて困ってしまった。
さすがにいつまでもキャシディさんをその、無下着で過ごさせるわけにはいかない。
というわけで、アニーさんに頼んで同行してもらおうとしたんだが・・・
『最近体が鈍ってしょうがねえから連れてけ』
と、おっちゃんが加わってきたのだ。
そこまでは別によかったが、問題は次の発言。
『由紀子と比奈、それにあの朝霞ちゃんってのも連れてくぞ』
と言ったのだ。
さすがにそれは危険すぎて容認できないと抗議したんだが・・・
『あの子たちはもう子供じゃねえんだ、いつまでも籠の鳥にしとくわけにゃいかねえだろ。この状況で生きていくんなら、何があっても対応できるように慣れさせねえと駄目だ』
・・・これにはぐうの音も出なかった。
『この先何があるかわからねえんだからな。俺やお前がいるうちに、鉄火場の空気を経験させておかねえとよ』
確かに、そう言われるとそうかもしれん。
考えたくはないが、何かがあって外で活動することもあるかもしれん。
その時に何もできずにえらいことになるより、俺達がカバーしている状況で経験を積ませるってのは間違いではないかもな。
・・・もちろん、本人たちが了承したら、だけど。
なお、話を振った所本人たちは一瞬で快諾した。
璃子ちゃんも行きたそうにしていたが、今回は防衛側に回ることにしたそうだ。
「・・・もうすぐ着くから最終確認しとくぞ。みんな、注意事項は?」
『あと3キロで目的地です!』と、カーナビが知らせてきた。
この音声、未来の世界の青狸に似てんな。
大木くんはこんなとこまでチューンしてたんか。
「単独行動はしませんっ!」
「許可なく大声を出しませんっ!」
「にいちゃんには絶対フクジュー!」
3人はハキハキと答える。
「朝霞は減点な。おっちゃんとアニーさんも追加だ」
「おけまるーっ!!」
返事がデカい。
・・・まあ、朝霞は牙島でもゾンビゾーンを踏破した経験があるから大丈夫だとは思うが。
今回はバックアップも3人いるし。
「・・・よし、3人とも車を降りたらそれを心に刻んどけよ。武器は常に手元に置いて、俺達からのOKが出るまでは決して油断するな」
3人の武器はスタンバトンだ。
いつの間にか大木くんが量産して、社屋に備蓄していたものを借りた。
前に俺が使っていたものと少し違うのは、ちょっと長い棒の先端に固定されてるって所だな。
本体からはコードが伸び、手元でオンオフの切り替えができるようになっている。
槍と言うには短いが、それでも従来のスタンバトンよりは長い。
「はいっ!」「うんっ!」「がってん!!」
うむ、いいお返事。
「基本的にみんなが戦闘に参加することはない、もしもそれをしないといけないくらい数が多いんなら撤退を考えるからな。ただ、突発的な事態なら話は別だ、心構えだけはしっかりしとけ・・・狙いは頭か胸、しっかり突いて電気を確実に流すんだ」
目的地が近付く。
「今回はいきなりでビックリしたけど・・・まあ、油断は駄目だが安心はしとけよ」
さすがに、表情に緊張感が出てきた3人に声をかける。
緊張しすぎて体が硬くなってもいかんしな。
「前方にはおっちゃん、後方にはアニーさんがいる・・・こんな豪華な護衛はそうそうないぜ?」
「にいちゃんは?」
朝霞が何故かオズオズしながら尋ねてくる。
俺?
俺かあ。
「―――何が来たって、みんなを五体満足で帰してやるさ。こう見えてもちょっとは強くなってんだ、ちょっとだけどな」
安心させようとドヤ顔で答えたら、朝霞は黙り込んで声を発しなくなった。
・・・ちょっとドヤ顔がくどすぎたかな?
まあ、論より証拠。
実戦で証明するかねえ。
「(おにいさん、いつもと別の人みたい・・・)」
「(お稽古の時よりも目が鋭くてカッコイイですっ!助けられた時を思い出しますっ!)」
「(にいちゃんがにいちゃんすぎて失神しそうだし・・・やっぱりにいちゃんは最高だし・・・)」
・・☆・・
無言のまま愛車は走り、やがて目的地に到着した。
硲谷にある、衣料品の大きな店舗だ。
郊外によくある、デッカイ駐車場に併設されるタイプ。
赤ちゃん用の店舗と合体している。
駐車場には、そこそこの車が停まっている。
徐行しながら確認するが、そのどれもが昨日今日来ましたって感じではない。
この騒動が始まってから放置されているかは断定できないが、ご新規さんってわけじゃなさそう。
そのまま、道から見て放置車両の影に隠れるような場所に停車。
おっちゃんの車も横につけてくる。
「しばらく待機な、先に周辺を確認してくる・・・鍵はかけとけよ」
素早くドアを開け、返事を待たずに外へ出る。
俺の装備は兜割に『魂喰』、それに各種手裏剣・・・脇差くんはおやすみだ。
これならどんな相手にも対応できるしな。
まずは周囲に視線を送り、放置車両に潜んでいる相手がいないか確認。
・・・近所にはいないが、奥の方で影が動いた。
ノーマルゾンビが車内に取り残されているのが何台かあるな。
距離は遠いし、鍵は開いていない・・・後でアニーさんに頼んで撃ってもらおうかな。
「っは、さすがに嬢ちゃんたちがいると気合が違ェな」
いつものように作務衣に木刀スタイルのおっちゃんが横に来る。
・・・その姿に気負いは一切なく、自然体だ。
何度か一緒に探索したことはあるけど、いつもながら得体が知れない。
「嫁入り前の大事な娘さんたちだからね、傷物にするわけにはいかないよ」
兜割を抜き、肩に乗せる。
ゾンビ相手ならこっちの方がいいだろう。
「おやおや、私もヨメイリマエなのだが?もう少し優しくしてくれてもいいんじゃないのかね?」
軽口とは反対に、油断なくライフルを構えたアニーさんが続く。
「アニーさんの腕は信頼してますからね。何度も助けられましたし・・・それであっちの奥の車両なんですが、ゾンビが残って―――」
台詞の途中で、アニーさんのライフルが火を吹く。
プシュシュ、とサイレンサーで消音された銃声が響いた。
「トゥダウン、だ。もっともっと信頼して私を愛したらいいぞ、イチロー」
薬莢が地面に落ちる澄んだ音が聞こえる中、慌てて振り返る。
すると、指摘しようとした放置車両のガラスにヒビが入っていた。
それも、2台。
内部に、さっきまで動いていた影の姿はない。
「・・・すげぇ」
「がはは、コイツは楽ができそうじゃねえか。ええおい?」
おっちゃんが楽しそうに笑い、木刀の峰で肩を叩いた。
・・・ほんと、俺の周りって有能キャラばっかりだ。
「降りて来い、大丈夫だ」
軽トラに手を振ると、3人が出てきた。
全員、緊張しているようで・・・スタンバトンをしっかり握っている。
強張りすぎてるな・・・後で緊張をほぐすのもいいが、今はこのままでいいか。
ちなみに全員、長袖長ズボンに軍手とヘルメット装備だ。
足元は走りやすい運動靴で統一されている。
朝霞も含め、通っていた学校のジャージ姿なので個性的である。
ジャージは攻守ともに最強・・・!
「後からついてきな、行くぞボウズ」
「了解」
おっちゃんと並んで歩き出す。
目的地は正面・・・なんかオシャレそうな衣料チェーン店だ。
俺は一度も行ったことがない。
基本的に〇ニクロとワー〇マンだし。
それで困ってないし。
そして今更だが、今回はついでに女性陣の衣服や下着も回収する。
この衣料品店の横は子供服専門なので、子供たちの服もだ。
男性陣?
別に困ってないからいい。
大木くんも、先輩もそうだ。
・・・先輩の方はサイズ的な意味で一般店だとそもそも無理だし。
俺は現状・・・硬化インナー以外の在庫はバッチリだからな。
この探索の帰り道にバイク用品店があったのっで、余裕があるなら回収しておこう。
「店内に何匹かいやがるな、気配が人じゃねえ・・・ゾンビだ」
おっちゃんが呟く。
確かに店内の服が風もないのにいくつも動いているが・・・人かゾンビかなんて全然わからんぞ。
なんで入る前に断定できるのか。
「まあそう固くなるな3人とも。余裕は大事だぞ余裕は・・・ここで度胸をつけておけ、いつかベッドで失敗しないようにな、ハハハ」
「「「(はいっ!!!)」」」
後方のアニーさんが朝から下ネタを飛ばしている!!
やめてくださいよ子供に悪影響でしょ!!!
ツッコミたい気持ちを抑えつつ、俺は入り口に向って足を踏み出した。
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