第80話 商店街と白黒のこと

商店街と白黒のこと








「ええ天気じゃのう」




「そっすねえ、梅雨は一体どこに行ったんでしょうねえ」




流れる景色を見ながら呟く。


マジで今年の梅雨3週間もないんじゃないのか?


夏になったら一気にドカッと降りそうで心配。




「もうすぐかいのう」




「んー・・・カーナビによればそうですねえ」




俺は、七塚原先輩と探索に出ている。






ゾンビが人間の成れの果てどころか人間ですらないかもしんない。


そんな衝撃的な推論で脳がパンクしたのは昨日のこと。




色々考えても埒が明かない。


というわけで、久しぶりに単独探索でもしようかと用意していると・・・




『体が鈍るけえわしも行く』




という先輩がやって来たのだ。




昨今の情勢悪化に伴い、神崎さんはお留守番である。


いや、先輩と2人だと車がギュウギュウだしね。




ちなみに当のご本人は少しご機嫌な斜め。


なんか頬を膨らませていてちょっと可愛かった。


そんなに探索が好きなんですか神崎さん。




まあ、あそこの防衛は戦力的にも万全だろう。


遠距離攻撃も近接もいける人材を取り揃えておりますし。


加えて爆破マンこと大木くんもいる。


負ける理由が見つからんな。




「しっかしのう・・・ゾンビの頭ん中に虫がおるとはのう」




「虫・・・まあそういう扱いでいいか。我々のやることは変わりませんけどね」




「ほうじゃのう、うっかり脳味噌やら血やら飲まんように注意せにゃなあ・・・」




・・・想像するだに嫌になる。




「今まで散々返り血は浴びてるし・・・結構な量を踊り食いでもしなけりゃ大丈夫だと思うんですけどねえ」




「まあのう・・・しかしわしらぁがゾンビ・・・特に黒い奴になったら大変じゃなあ」




もっと想像したくねえなそれ。


普通の人間がああまで強くなるんだ。


特に、先輩みたいな戦闘力の人間がそうなったらとんでもないことになりそうだ。


太刀打ちできる気がしない。




「わしが駄目じゃったら・・・頼むで田中野」




「じゃあ俺の時もサクッと頭を叩き潰してくださいね、先輩」




俺たちはしばし視線を合わせ、げらげら笑った。


こういう冗談、神崎さんに言うと激怒されちゃうかんなあ。




「こういうんは、巴の前では言えんけぇなあ・・・後藤倫は絶対に告げ口しよるしのう」




どうやら先輩も一緒らしい。


確かに巴さんは激怒してその後大泣きしそう。




「お、もうそろそろ到着するっぽいですよ」




「ほうか、結構かかったのう」




『目的地付近デス』とカーナビが教えてくれる。


便利だよなあ・・・衛星が死んでなくて本当によかった。




指示に従って車を進め、目的地付近に停車する。




「先輩はここ、来たことあるんですか?」




「うんにゃ、こっちにはとんと来んなあ。中村さんの所で大体揃うけえな」




2人揃って車から降りる。


周囲には気配なし。




今日の目的地は、以前モンドのおっちゃんから教えてもらった武道具店だ。


龍宮市に入ってすぐの場所にある。


高柳運送から、直線距離では大したことはないが細い道が多いので存外に時間がかかった。




手入れ用品の在庫はまだあるけど、気分転換の意味も込めてやってきた。


おっちゃんの紹介だから話くらいは聞いてくれると思うし・・・安否確認して今度教えてあげることもできる。




・・・まあ、生きていればだけど。




俺は兜割を、先輩は六尺棒を担いで歩く。


先輩の間合いは超広いから、意識して離れておく。


巻き込まれたら大怪我必至だからなあ。




「・・・一応市街地なのに、人気がありませんね」




「市街地じゃけえ、かもしれんな・・・おう、見てみろや」




先輩が顎をしゃくる。


その先には・・・地面に落ちた赤黒い何か。


若干の腐敗臭が漂ってくる。




なるほど、もう『掃除』された後かもしれん。




『ようこそ!玉竜商店街へ!』と書かれた古びた横断幕が風にはためいている。


今日の目的地は、そのアーケードの中にあるはずだ。




アーケード・・・なんかろくな思い出が無いな。


以前に揉めたりしたしなあ。


あそこの人たちどうなったんだろ。


まあ、いきなり矢で撃ってくる好戦的な奴らがどうなっていても知らんけども。




アーケードの入り口をくぐる。


えーと、地図ではここを右・・・に・・・




「タオル持ってきてえかったのう」




「ガスマスクが欲しいですよ俺は・・・うっぷ」




商店街は、人間の成れの果ての破片で埋め尽くされていた。




道に散らばる残骸。


シャッターに飛び散った肉片と、赤黒く変色した血液。


風に乗って鼻腔に届く腐臭。




「この時期じゃけえ腐るのも早いのう」




こんな時でも先輩は平常通りである。


見習いたいものだ、この肝の座りようは。




「こん奥か?望み薄じゃが・・・行ってみるか」




そう言って先輩はずんずんと先へ進む。


ああっおいて行かないで!




「この様子じゃと、大分早くに壊滅したんじゃのう・・・ホレ田中野、かなり腐っとる」




「よく直視できますね先輩・・・まあ俺もそうですけど」




道に落ちている肉片は、かなり損傷が激しい。


そいつらを踏まないように気を付けて歩く。


臭いが付いたら洗濯大変だもんな。




「・・・頭だけは綺麗に無うなっとるな」




「まったく、好き嫌いせずに全部食えよな・・・」




どこかに黒や白黒が誕生しているかもしれん。


あいつらはたぶん能動的に動くので、もうここらにはいないかもしれないが。




「子供たち、そろそろ避難させた方がいいですかねえ」




「原野は安全じゃとは思うがのう・・・ゾンビ以外が心配じゃな」




襲撃者とかな。


いつか龍宮から進出してくるかもしれない。


だが、それなら詩谷でも危険は一緒だろう。


悩みどころだ。




「一刻も早く、目立った集団は叩き潰してやりたいのう」




「わかりやすく拠点でも構えてくれれば、一気にいけるんですけどねえ」




大木式爆弾の面制圧とか。


遠くから手っ取り早く殲滅するのが一番楽だ。


自衛隊、基地から戦車でも持ってきてくれればなあ・・・




無駄話をしながら歩いていると、先輩がふと足を止める。


そのまま六尺棒をゆるく下に向け、気持ち姿勢を低くしている。




それを見て、俺も戦闘態勢へ。


後藤倫先輩の次に勘の鋭い先輩だ。


あの人がこうなるんなら、『何か』がいる。




「(突き当りの左右、数まではわからん)」




「(了解)」




小声で返し、周囲の状況を確認。


踏みつけて滑るような破片はない。


良くも悪くも、死んでから時間が経っている死体ばかりだ。




「(・・・風向きが変わった。ゾンビじゃったら、気付かれるぞ)」




「(ゾンビなんだから鼻も腐っててくれよな・・・)」




厚着しているので汗ばんだ肌が、風向きが変わったことを教えてくれる。


そのままの状態で待つことしばし。




「グルウウウウウウウウウウウウ!!」「バアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」




ゾンビ声確認!


同時に、バタバタと走る音が聞こえてくる。




「わしは右じゃ」




「了解、じゃあ左・・・お互いバイザー下げときましょうね」




そう言葉を交わしたのとほぼ同じくらいに、ゾンビが暗がりから走り出てきた。




黒ゾンビが・・・2体!


それに影の部分にもまだ何体かいそうだ!




「グアアアアア!!アアアア!!!」




若干先にいる先輩目掛け、黒ゾンビが走る勢いでジャンプ。


猿めいた姿勢で跳びかかろうとする。




「ぬぅん!!」




六尺棒が唸りを上げ、がら空きの顔面を粉砕しながらめり込む。


初めて見るタイプの、顔面まで殻付きのタイプだがお構いなし。


・・・相変わらずすげえ力だよ。




俺の方にも黒ゾンビが迫る。




胴体と顔面にも殻がある。


後続は、声はすれどまだ見えない。


・・・ならば!




「っしぃあ!!」




踏み込みながら膝を折り、回転。


遠心力で加速した兜割で、黒ゾンビの足首を払う。


重い手応えだが、上手い事奴はすっ転ぶ。




「ギャガアア!!!!」




「ぁあっ!!」




倒れ伏す黒ゾンビの後頭部目掛け、回転でさらに加速した兜割を落とす。


バキバキと、人間ではありえない硬度の感触。


手が痺れる程に、思い切り力を込めた。




南雲流剣術、『玄翁』




アスファルトと兜割に挟まれた頭部に、最大級のダメージ。




「ガッ・・・ァア・・・」




大きく呻いて黒ゾンビが静かになる。


・・・ふう、上手くいったな。




息を整えて立ち上がると、前方にゾンビの影。


おいでなすったか。




「ガアアア!!!アアアアアア!!!!」




「先輩、来ますよ!・・・うおマジか!?」




暗がりから飛び出して来た新手。




ほぼ全裸のそいつの肌は、白黒。




しかも・・・




「嘘だろ!?それも武器にカウントすんのォ!?」




その手には、半ばから千切れた道路標識が握られている。


ベッコベコになった『止まれ』の文字が見える。


その模様、錆じゃなくて血だろうな・・・




「おう!コイツが例の新種か!!」




先輩が足を踏み出す。


六尺棒を下段に構え、迎撃の体勢。




「わしがやる・・・来いや!新手ェ!!!」




「ギャバアアアアアアアア!!!」




先輩が吠えると、ゾンビも負けじ?と吠え返す。




「ふううう・・・」




足を広げ、リラックスした様子の先輩。


白黒が、標識を思い切り振り上げながら走る。




アレを振り上げてダッシュできるのか・・・規格外の体力だな、やっぱ。




「アアアアガアアアアア!!!!!」




あっという間に間合いに入った白黒が、恐るべき風切り音を立てて標識を振り下ろす。


まともに喰らえば人間なんてさっくり切れそう。




「っおおおぁ!!!!」




先輩は下段からの迎撃。




ごぎん、という何とも言えない音が響き、標識と六尺棒が火花を散らして打ち合う。


そのまま両者は動きを止めた。




「ガアア!!ガアアアアア!!!!」




「ふううう・・・ううううう!!!!」




先輩の声に力がこもる。


それと同時に、インナー越しの両腕が目に見えて隆起する。


縄目のような筋肉が浮かび上がった。




「がぁっ!!」




気合を込めて先輩が六尺棒を跳ね上げた。


ごう、と巻き上がった空気。


白黒の標識が、その手を離れて宙に舞う。




「・・・りゃあああ!!!!!!!!!!」




裂帛の声と共に、六尺棒が一瞬ブレる程の高速で振るわれた。


ばきばきという破砕音が響き、白黒は後方へ吹き飛ばされる。


そのままシャッターに叩きつけられ、めり込んだ末に動きを止める。




「・・・ふぅう、中々の剛力じゃなあ」




力を抜く先輩。


その感想だけで済むの・・・スゴイ。


俺なんか以前は逸らす方向で動いたのに、なんで正面から返すんだよ。


しかも俺の時は鉈だが、今回は標識という重量武器・・・武器?だというのに。




シャッターに突き刺さった白黒は、その頭を原型をとどめないほど破壊されていた。


両側からぶん殴られてるな。


加えて、胸部も大きく陥没している。


三連撃、か・・・






南雲流棒術、奥伝ノ五『無拍鳴神』




変拍子の連撃を最低三発叩き込む技。


・・・おっかねえ、まるで多重衝突事故だ。


やはりゾンビに対する最適解は質量兵器だと再認識した。






「おかわりはナシじゃのう」




どこか残念そうな先輩である。


なんだその感想。


我が先輩ながら化け物だ。




「まあ、いないに越したことはないですよ・・・行きましょうか」




「おう、おまーもよう動いたのう。わしにゃあああまで器用に動けんわい」




そりゃね、俺は先輩ほどの馬鹿力もないし。


小手先を使わないと破壊力は出ないよ。


・・・いや普通の人類には出ないと思う。


先輩とか師匠が規格外すぎるんだ。




まだ残敵がいるかもしれんので気を付けて進む。


最近新調したヘルメットライトを点灯させ、お互いに死角を作らないように注意しながら。


電気って偉大だったんだなあ・・・昼前とはいえ、奥まったアーケードは暗いや。






「アレ・・・じゃろうな、看板も見える」




「そうですね・・・まあ半分以上予感はしてましたけども」




しばらく歩いてたどり着いた目的地。




『三島武道具店』と書かれた看板が見える。


その看板に飛び散った、赤黒い血液の名残も。




「あれだけゾンビがいちゃあ、なあ・・・」




シャッターは破壊され、大分離れたここからでも店内が見える。


略奪か、それともゾンビか。




店内は荒れに荒れており、床には何かの肉片が散らばっている。


陳列されていたであろう木刀や竹刀・・・それに防具やなにかも。




「襲撃とゾンビの両方かのう・・・ホレ、壁のケース見てみい」




本来何が飾られていたかはわからんが、壁のガラスケースは残らず破壊されている。


何かを飾る台だけが、空しく残されている。


恐らく、めぼしいものは持ち去られたんだろう。




店の前には、銃器を取り扱う許可を得た看板もある。


銃か、それとも刃物か・・・どちらにせよ武器はありそうもない。




「あんだけわしらが騒いでも何もないんじゃけえ、ゾンビはもうおらんな。人の気配もない」




「武器は主目的じゃないですし、物色しましょうか」




そう言って、俺は店内に向けて歩き出す。






やはり思った通り、刀の手入れ道具各種は無事だった。


襲撃した連中はさほど詳しくないようだな。


とりあえず手っ取り早く武器になる物を持っていっただけのようだ。


有難く頂戴していく。




「南無阿弥陀仏・・・」




店の奥の住居スペースで、胸を撃ち抜かれた老人の遺体に手を合わせる。


襲撃に抵抗してやられたのかな・・・ここの主人だろうか。


モンドのおっちゃんと、そう年も変わらないくらい・・・かな?


腐敗が始まっていてあまりよくわからん。




手元のメモ帳。


そこの該当箇所に大きく赤字で×印を書く。


おっちゃんから貰ったものだ。


今度帰ったら、ここの顛末を教えてあげよう。


知り合いだろうから、少し言いにくいが。




「火葬にでもしてやりたーが、ここ、商店街じゃけえのう・・・」




俺の隣で手を合わせる先輩が言う。


ここで火を点けたらここら一帯が火の海になるからな、申し訳ないがこのままにするほかない。


床に横たわった遺体に布団をかけると、俺たちはもう一度手を合わせた。




「さて、どうするかのう」




「思いのほか早く用事が済んじゃいましたんで・・・子供たちへのお土産でも探しましょっか?」




「そりゃあええのう!」




子煩悩な先輩がパッと顔を輝かせる。


ほんっと、子供と奥さんが好きだよなこの人。


他人の子でもこうなのに、巴さんに子供ができたらとんでもないパパになりそうだ。




さてと、元からシャッターが目立つようだが腐っても商店街。


なにかいいものはあるはずだ。






武道具店を離れ、周囲を物色する。




青果店らしきところからは腐敗臭が漂ってくる。


たぶん中で野菜が腐ってるんだろうなあ・・・




ここは・・・本屋か。


ふむ、漫画や子供向けの書籍はそこそこあるみたいだ。


先輩が嬉々としてリュックに詰め込んでいる。


娯楽は重要だからなあ。


・・・それにしても先輩の持ってきたリュック、マジででかい。


山登りでもする感じだ。


あれならいくらでも入るだろう。




服屋も見つけたが・・・なんというか、年齢層が随分高い服ばかりだ。


近所の爺さん婆さんが着るような服しかねえぞ。


子供用どころか、60歳以下を対象とした服すらねえ。


下着も・・・うん、使えないなこれは。


ステテコなんて久しぶりに見た。


持って帰ってもしょうがないので、店内に置かれていたハンカチとタオルをいただくことにした。




次は薬局だ。


ここは盛大に荒らされている。


薬は重要だからな・・・


狭い店なのでほぼ空である。


遥か昔から愛用されている下痢止めが見つかったので持っていく。


食中毒は怖いからな・・・確かウイルス性の下痢には逆効果なんだよな、コレ。


あとは包帯と・・・子供用の風邪薬や塗り薬がいくつかあったのでそれも確保。


バックヤードまで略奪されていたが、何故か栄養ドリンクは手付かずだった。


緊急時の栄養補給用に持って行って・・・ああなるほど、これは二日酔いに効くやつがほとんどだ。


とりあえず、普通のものを根こそぎ貰うことにする。




「商店街って閉店多いんですねえ、先輩」




「ショッピングモールの影響かのう」




まさかこんなところで商店街が直面していた問題を認識することになるとは思わなかった。


世知辛いなあ。




「お、田中野!アレ見てみい!」




先輩が指差したのは・・・半分ほど開いたシャッターの店。


すぐに先輩はダッシュでその店まで駆けていく。


俺もついて行ってみる。


そんなテンション上がるほどのものなんて・・・何ィ!!




「だ、駄菓子屋じゃないっすか!!」




テンション上がるもやむなし!!


何かの偶然か、今まで見つからなかったのか。


薄暗い店内をライトで照らすと、そこには子供時代に見慣れた駄菓子の数々。


おおお・・・懐かしい。


うわ、まだあるんだこれ・・・




「子供らぁにええ土産ができたのう!!」




先輩は満面の笑みでリュックに駄菓子を詰め込んでいる。


うん・・・幸せそうで何よりだよ。


俺も嬉しいし。




俺たちは店を空にする勢いで駄菓子を回収し、帰路に就くことにした。


色々あったけど、当初の目的は達成された上にお土産まで手に入るとは・・・日頃の行いがよかったんだなあ。


・・・そうだろうか?




「早う帰りたいのう、土産もあるし、ちょいと降りそうじゃ」




助手席で空を見上げる先輩。


確かに、なんだかかいかにも降りそうな空模様だ。


車だから大丈夫ではあるが、それでも降る前に帰りたい。




「そっすね、じゃあ寄り道なしで帰りますか・・・今日はいい探索だったn」




「田中野!!」




肩が痛い!!!


やめてください潰れちゃう!!!




「アレ見ぃ!!」




険しい顔の先輩が前方を指差す。




「なんです・・・アイツらか!」




そこには、見慣れつつある黒装束の一団が載ったバスが走っていた。


その横にはあの『みらいの家』と印字されている。


一体どれくらいの数があるんだ、あの団体・・・


こちらには気付いていないのか、バスはゆっくりと目の前の交差点を右折していく。




「・・・追います」




「応!!」




エンジンをかけ、ゆっくり発進する。




今突っ込むにしろ、後で報告するにしろ。


とにかく拠点は探っておきたい。




「逃がしゃしねえぞ・・・」




俺はそう呟きながら、咥えた煙草に火を点けた。

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