もう少し

第1話

「毎度、ばかばかしお話を～」

僕は今、高座で落語をやっている。

本職ではない。

素人だ。

つまり、素人名人芸大会で、この舞台にいる。

この舞台にいるのは何度目だろう？

「もしもし、栗岡正仁さんですか？」

「そうですけど・・・」

「こちら、〇〇放送の素人名人芸大会の、プロデューサーの・・・」

「あっ、またですか？」

「お願いできますか？」

ここだけの話、落語や漫才は番組から、「出てください」と依頼される。

歌はたくさん応募があるが・・・

詳しくはよそう・・・

で、すっかり顔なじみもできたわけだが・・・

「お後がよろしいようで・・・えっ？まだ？」

落語とかのお後がよろしいようでは、次の方の準備が出来たという意味らしい。

落語を始めてから、知ったのだが・・・

伸ばしてくれか・・・

どうしよう？

まあ、何とかなるだろう。

「えー、引き続き続けます。もう少しのお付き合いを・・・」