10話「魔女、バケツの水をかけられる」

腐ったスープとカビの生えたパンの後は、腐っだステーキと腐ったサラダが出て来た。


逆行魔法を使い出来たての状態に戻し、美味しく頂いた。


逆行魔法様々だ。


食後に出てきた紅茶は冷えていてボウフラが浮いていた。おそらくボウフラのわいた水を沸かし紅茶を淹れたのだろう。時間を巻き戻したらただの水になってしまったが、気にせずに口に運ぶ。


周りには腐った料理とカビの生えたパンとボウフラのわいた紅茶にしか見えないようまやかしの魔法をかけている。


それらの物を平然と食べる私を、奴らは奇異の目で見ていた。


食事が終わると侯爵に「さっさと部屋に戻れ」と言わたので自室に戻る。


私だってアホ面の侯爵や、意地悪女の顔なんていつまでも見ていたくないわよ。


屋根部屋にはお風呂がない、部屋の前を通りかかった若いメイドをに「お風呂はどこかしら?」の訪ねたら、バケツに入った水をかけられ「これがあなたのお風呂です」と言われた。


あのメイドの顔は覚えている、部屋にボウフラ入りの紅茶を運んできた女だ。後で絶対泣かす。


風魔法で濡れた服を乾かす。


「お風呂がないのか〜〜」


二、三日いやそれ以上の期間、お風呂に入れないことなど修行中にはよくあった。


お風呂に入らなくても死にはしないが、エミリーが不潔な女だと思われるのはしゃくだ。


「久しぶりに温泉にでも行こうかしら」


私は転移魔法を使い温泉に行き、ゆったりと湯に使ってから部屋に戻った。



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