還元

バブみ道日丿宮組

お題:3月の第三極 制限時間:15分

還元

 別れはいつも突然で、その流れを止めることはできなかった。私には到底できない。

 また出会えたらとお互いに思いあっても、現実は違う。

 疎遠は心までも侵食し、やがて黒く塗りつぶす。存在のパラメータを消え去る。DNAの欠片も残らない。失敗例としては列挙されるが、普通のものがそれを見ることはない。

 だからこそ、永遠の別れになる。

 3月は贄を多く必要とする月で、第三極勢力が出たり消えたりする。止められるはずもない儀式のため、無駄に生命を使い果たす。

 けれど、作られる生命は途切れることはない。

 当然のように贄には脳のないただの物体が捧げられる。

 が。

 これが全てじゃない。

 第三極に入ったものが優先的に喰われるように埋められる。大地をもとに戻すために人体樹となるために。それは反対勢力への圧力……という意味合いが強い。見せしめの行為。管理者が管理してるのだとものにわからせること。

 私がこうして日記を書き続けてるのも見つかってしまえば、同じ扱いになる。記録というのは後の誰かにみられる行為。子孫という概念がなくなった私たちには過ぎた行為でしかない。

 再び産まれた私が同じように日記という手段をまさに取ってるのは、この300年でバレてないことも意味するが、反省もしないのが私。

 いつくるかもしれない管理者の行動を考えもしない愚かな行為。

 けれど、いつか……いつかこの大地に再び足を運べるようになるのだとしたら、犠牲となった別れは多少良かったのかもしれない。

 私たちはかつてこの大地を食い物にして破壊の限りを尽くした。

 今では1割程度復元されてる。月日にして数千年。それだけのものが必要。それだけのものを人体樹に変えなくてはいけなかった。

 かつては数億といた人間がその糧を土に還して再び土の上に。

 そんな日がきたとしても、きっと私たちは同じ間違いをする。

 そう……管理者が消費という概念に囚われてるのならばーー。

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還元 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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