バブみ道日丿宮組

お題:男の踊り 制限時間:15分

 刻印として残されたものは親から子へ。

 受け継ぐのは遙かなる過去の記憶も含む知識となる。

 だからこそ、王への嫌悪感は当事者に行われた行為よりも、一層強くなる。

 抗いたい欲望を抑え込むのを必死に隠し、王のために舞い踊る。満足感を増幅されるシステムとして動き続ける。

 踊りには魔力が秘められ踊るたびに王の生力が上書きされる。

 当然、何者でもないただの人間にそんなことは不可能。それを可能とするのは刻印が吸う生命の光。そのため王の側で踊る者たちには両親はいない。

 契の血は死ぬことでその存在ごと王へと至る。骨以外は王のために。それが存在理由だ。

 この儀式は、かつて王が戦い生命を奪った魔術師が作り上げた。今はない魔法という力を秘めたものたちが子どもへと残した。生命力が強い男から多く奪う仕組み。

 だが、魔術師であったものは死んではいない。魔法という名前を科学と言い換えて王のために消費し続けてる。

 魔術師は、荒事があれば、破壊し王を守るためにある。

 そのための刻印が魔術師にはある。

 自らの子孫が消え去ろうと、その目には涙をみせない。

 それが贖罪という王のご命令のために。

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バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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