Disperiod・sentence〜物語、冒険してみました〜
雷麦
プロローグ Disperiod
男は崖先に立っていた。
「もう、やめにしよう、ここで。」
この男は長文ながふみ 章他しょうた。
15歳の中学3年生で、もうそろそろ受験生というところである。
章他には夢があった。まぁ、夢と言えるほど大層なものではないが、彼は歴史書に載ってみたかったのだ。昔から章他は発明家に憧れ、武士を尊敬し、ノーベル賞を取ると心に決めていた。
しかし、現実は章他を無慈悲にも押し潰した。彼はうまくやっていたつもりだった。周りを見て行動をして、周りの人を手伝い、1人で東奔西走していた。
そんな行動を受け、クラスメイトは
「なんでそんなにタイミングよく来るの?」
「ずっと私たちのこと見てるの?キモっ。」
「お前いつも1人だよなぁ!つまんねー顔してるし!」
「いつもいつも周り見てお前ってさ、『中途半端』 なんだよ。」
と、あまりに場の空気を『わかりすぎて』いる
章他のことを気持ち悪がり、ついたあだ名は
(ぼちぼっち)
最初は、何故自分はそんなことを言われなきゃいけない、手伝うことの何がいけないんだ、と思っていた。
しかし、ここで変わらず行動していた章他はある日家で、
「おい、章他、お前よく手伝ってくれるけどさ、
周りばっか気にして、自分でしたいことはない
のか?」
と父親に聞かれて、
「ないよ、僕は人を助けたいんだ。」
といつもの調子で答えると、急に父が声を荒げ、
「いつもいつもなんでそんなことを言うんだ‼︎‼︎‼︎
自分でしたいことはないのか!?もう高校生だ
ぞ!自分のことも決めていかなきゃだぞ!!」
章他は何故父親が起こったのか分からなかった。
だから、いい答えが分からず、
「まぁ、ぼちぼち考える。」
と答えた。すると父は、
「またそれか!!!!!!いつもいつも、まぁま
ぁだの、ぼちぼちだの、そこそこだの、お前に
も夢があっただろ!歴史書に載るくらいの偉人
になるって昔から言ってたじゃないか!なのに
、なのに……‼︎
この半端者が!!!!!!!!!!!!!」
――――――――――――――――――――――
気がつけば、泣きながら崖先まで来ていた。
「ははは…
みてろよ、クラスメイトども、父さん、母さん
俺を馬鹿にしたやつらみんな、、、俺が伝説に
なってやる‼︎
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………!」
ぐしゃっという音と共に、
章他は死んだ。
はずだった。
――――――――――――――――――――――
「ん………あれ?俺はたしか、飛び降りて……
てことは、俺、死んだのか、」
「はい♪貴方は死んでしまいました♪」
「ってうおっ!!」
急に上の方からプ○キュアのマスコットのようなルンルンって感じの声が聞こえ、章他は驚く。
「フフ、ごめ〜んねっ♪」
なんだろう、聞けば聞くほどムカムカする声だ。
「てことで、本当なら、自殺者は天国いきなんだ
けど〜、ちょ〜っとめんどいことになってんの
♪♪」
「ん?どうしてだ?もしかして俺は伝説つくっち
まったのか?歴史書載るみたいな!」
すると、そのマスコットはがっくりと肩を落として、呆れた顔をして、急にこそこそ話し始める。
「いや、実はね、載ったには載ったのよ。けど
ね、貴方が載ったのは、新聞紙♪」
「え、別に載れたならよかったかな」
「いや、あのね、貴方は悪い方で載ってんのよ、
貴方、落ちた先見てた?」
「いや、目、つむってたな…………え?まさか
まずいとこに落ちた?」
「大正解よ。落ちた下にはね、カップルがいて、
その人たち巻き込んでおちて、2人とも死んじゃ
ったのよ。それでそれだけならまだ事故なのだ
けれど、このことを聞いた貴方の父は、鬱症状
で自殺しちゃってね。母親もショックで寝込ん
でいるわ。そうなると、話が変わってね………
貴方の行先を地獄にするか、天国にするか話し
合っているのよ。」
「じゃあ、俺は地獄行きなのか……?」
「そうなるかもね、
けれど、貴方が救われるただ一つの道があるの
よ♪」
「そうなのか‼︎?」
いつのまにか口調が戻っているが、そんなことは
気にならなかった。章他はとにかく地獄が嫌だった。
「まぁ、決してそのみちも楽じゃないけど、
うまくいけば、歴史に名前を残せるかもね♪」
「おぉ!俺にとっては好物件じゃないか!
わかった!俺やるよ!」
「あら、それならよかった♪貴方に頼みたいのは、
『歴史の完成』よ♪」
「ん?歴史の完成?」
「まぁ、そりゃわかんないわよね♪そうね、貴方、
魏志倭人伝は知ってるわよね♪」
「‼︎ええ!知ってるとも!なんなら、ここで解説
できますとも。今しましょうか?」
「いや、いいわ、、、、」
流石にちょっと引いてる。
「で、あの話は完結しているでしょう?」
「はい、そうですね…………」
メンタル弱いなぁ、、
「でね♪実は未完結の話もあるの。貴方には、その
話の完結を目指して欲しいの♪」
「はぁ、」
「これはね、いろんな人が挑戦していることなの♪
神はね、完結していない話をこう呼ぶわ。」
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