あそび
バブみ道日丿宮組
お題:小説家の蕎麦 制限時間:15分
あそび
文を羅列してくとまるで蕎麦のような線ができあがる。
横読みしたり、縦読みしたり、斜め読みしたり、人によって文章の形は異なる。
エッセイなんかは横向きが多い。
かくいう僕はコラムを書きつつも小説を書いたりするので、様々な文をかき分けてる。誰かが気づいたら面白いだろうなという言葉遊びは考えるだけで面白く。作品の良さ悪さにかかわらず熱中できる遊び方だ。
あとがきに毎回ヒントは書いてあるので、わからないことはないと思う。
ファンレターでたまに『答えがわからなかった』です。
そんな言葉がくるので、次の巻には前巻の答えを載せるようにした。最近ではその部分を作る本なんてものも書かせてもらった。
ネット上で他人が僕のアイディアを使って問題を作ってるのを見るとほかほかして気持ちがいい。
ただ……受け入れられない方も当然いて、『ちゃんと話を書いてくれ』、『そんなことはいいから続きを早く出して』等クレームもきてる。
確かに小説家として小説を出せなければ本末転倒である。
9割小説が読みたいから購入してくれてるわけで、隠された言葉を探すつもりで購入してるわけじゃない。
だからこそ、文章を最近は優先するようにしてる。すごく当たり前だけど、大事なことだ。遊びはあとがきに書くようにしたから、少し難易度は下がった……と思う。
読みづらさはあるがファンも求めてきてるから、続けてくださいとも担当者に言われた。
「……では今回はこんな感じに」
「アスキーアートみたいですね。文も文として読めますし、いいと思います」
「ありがとうございます」
「では、次の原稿をお待ちしております」
担当者と僕はお互いに頭を下げると、喫茶店をあとにした。
「……今日もいい天気だな」
あそび バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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