第34話 エロ名所三人美女⑥



「西宮くんの事、分からないの」 

「分からない?」

「私に何を求めて、何をして欲しくて、何を期待しているのかが」

「え?」

「私も西宮くんの事を知りたい……でも、分からない……西宮くんが何を考えているのか」

「俺は別に、天王洲さんから何か貰えるのを待っているわけじゃないですから」

「そんな中で、いろんな女の子が西宮くんの周りに居るから……余計に……その……」 

「俺の心は、あの時からずっと天王洲さんに向いてますよ。信頼してくれてるってだけで、俺はすごい嬉しかったですよ」

「そう……」

「だから、ありがとうございます。俺を信頼してくれてて」

「白……」

「はい?」

「白よ」

「え?」

「今日だけは……特別」


 天王洲さんの今日の下着は、どうやら白らしいです。


 これが前回までのハイライトで、だが、当然のように疑問に思う事はある。


「天王洲さん、パンツ履いてるんですか?」

「は、履いてるわよ」

「えぇ……」

「ちょ、なんでそんなガッカリしてるのよ!?」


 いや、だってほら、履いてるんだもん。履いてないのがデフォなんじゃないの? 天王洲愛瑠はパンツを履かなくて、パンツを履いてないのが天王洲愛瑠のはずなのに。そんな自分のアイデンティティを無くて、一体天王洲さんの身に何があったと言うのだろうか。


「パンツ履いてるん天王洲さんなんて……」

「ふ、普段なら履いてないわよ私だって。でも……女の子の日なら……履かない訳には……」

「普段なら履いてないんですよ。やっぱ天王洲さん変わってますね」

「ど、どっちなのよ……!? あぁ……またこんな事言ってしまったわ……」


 天王洲さんは勉強は確かにできるけど、やっぱりなんかアレですね。でも、そんな抜けた部分があるのが天王洲さんの魅力の一つでもあるんだろうけどね。


「西宮くんは本当に……最低よ……」

「天王洲さん、これ使ってください」

「え?」


 そう言って、生徒会室に置かれている膝掛けを天王洲さんに渡した。ほら、ポンポンは温めないとね。男には分からない苦労がそこにはあるんだろうから、気を遣うのは当然の事だ。


「あ、ありがとう……」

「それと今日の夜、電話してもいいですか?」

「え?」

「映画館デートの予定、流石に立てましょう。もし都合が悪ければまた明日でもいいですけど」

「だ、大丈夫よ。するわ、今日。今しましょう……!」

「分かりました。今日はリタと帰りますけど、今度天王洲さんも一緒に帰りましょう」 

「う……うん」

「帰りに美味しいクレープ屋さんもあったりするので、きっと楽しいですよ」

「そうね。西宮くんと一緒なら、ね」


 遠くなったと思ったけど、確実に天王洲さんとの距離は縮まっている気がした。




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《令和コソコソ噂話》


 第34話読了してくださりありがとうございました! 


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