Vチューバーに恋した俺氏、衝撃の事実を知る事になる

アキノリ@pokkey11.1

Vチューバー+???=!?

Vチューバーに私はなる!

第1話 Vチューバーという存在を語るには多すぎる

巷で有名なVチューバーと言えば。

やはり可愛い女の子に色々な方々がアテレコをする事。

そして歌を歌ったりしたり面白い事を配信する事であろう。

それで人気が急上昇している。


俺は当初はVチューバーのユーチューバーの存在について、非常に下らない、と思いながらずっとチューバーに関わっている人達の全般を舐めていた。

しかしある日の事だが検索の為にパソコンを開いているとニュースであった.....とあるVチューバーに恋をしてしまう。


それは成実クリンという架空の女子に、である。

何というか絵がドストライク。

落雷が落ちる様な恋だった。


茶髪の女の子。

長髪で.....足に白いニーソックスを履いたりしている学生服の女の子。

俺はそのVチューバーに本気で恋をした。


Vチューバーのその子の生放送中に投げ銭をたまにしたりする。

これは本当の恋だった。

所謂.....もろにハートをぶち抜かれた様な。

考えながら俺は6月17日の日。

テストも体育祭もそこそこに落ち着いている日だが。


「息抜きにまた観るか.....お。新しいクリンちゃんの生動画が.....」


などと言いながら俺はクリンちゃん動画を探していた。

因みにそんな事をするキモい俺の名前は平山。

平山海斗(ひらやまかいと)。


17歳の凡人。

つまり秀でる所が何もない、ので紹介は省きたいのだが.....うん。

簡単な話。

錆びた釘の様な存在だ。

使えるが目立たない様に錆が広がっている人間と言える。


唯一目立つと言えば究極のボッチ根暗。

そして勉学優秀。

っていうかそれしかする事が無いので、である。

たまにラノベ読むくらいか。

趣味といえるものは。


そんな俺には義.....まあいいか紹介しなくて。

あれは引き籠りと言えるしな。

簡単に言えば人を笑って妨害をしてくるし。

なので。

俺というかこの家の住人は再婚の家族である。


「クリンちゃんは今日も可愛いな。まあ本人じゃ無いけど可愛らしく踊っているし」


画面の先で踊るクリンちゃんを観ながら。

俺は少しだけ柔和な笑みを浮かべる。

飴玉を舐めた様な声をしている可愛いクリンちゃんを観ながら。

俺は勉強をしたりした。

それから何十分か経ってから欠伸してクリンちゃんの動画生配信の終了を観た。


『有難う!みんな!』


チャンネル登録者数300万人のクリンちゃん動画。

当然、俺は見向きもされない訳ですが。

しかしまあこの良い性格の爪の垢を2階のクソボケ義妹に飲ませたいもんだ。


黒縁眼鏡の小太りで性格が悪く俺を雑用係の様に扱うあの.....クソ女。

俺は.....何でか知らないがどうでもいい人物を思い出しながらクリンちゃんの動画の生配信を観ていた。

それから笑みを少しだけ浮かべる。


「.....しかしこうして熱中出来る事.....か」


ふと、くだらない世界を思い出した。

昔の事をふと考えながら.....俺はパソコンの動画サイトを閉じる。

それから.....何時もの様に少しだけ沢山のお菓子を持ってからあの女の部屋の存在する2階に上がろうとする。


そんな事をする必要も無いがこれは日課だ。

何の日課かといえば.....そうだな。

どんだけのクズでも仮にも義妹。


なので喜ばせたいとこれでも考えているのだ。

馬鹿野郎だろうだと思うか?そうだな。

俺も思うよそれ。


思いつつ上がっていると。

義妹の部屋のドアがゆっくり開いた。

トイレに行く様.....は!?

そこから痩せている女の子が出て来.....!?


「な、な、な。お、おま.....」


「.....何」


「いや何って何でそんな可愛くなってんだよ!?」


そこに居たのは。

小太りじゃない黒縁眼鏡を捨てた女。

つまり.....黒髪の長髪の小顔且つ.....顔立ちが猛烈に整った美少女。


よくある様なティーンズ募集の.....様な。

俺は愕然としながらピンクの上着を、可愛いTシャツが似合う様な。

着ている羽織っている義妹を見る。


しかしこれは間違いない。

割とマジに義妹だ。

だって常に部屋に居る奴がすり替わるとか有り得えないだろうしな。

それは例えばドッペルゲンガーとか居るなら、って話だが馬鹿らしい。


しかしその!

黒縁眼鏡は!?

あのダサい服装は!?

顔のあの肉は!?

腹のあのぜい肉は!?

有り得ない事だらけだな!!!!!


「幾ら何でも変わり過ぎだろ!!!!!」


「変わり過ぎ変わり過ぎ煩い。.....あともうお菓子は要らないから」


「.....へ?」


「部屋にお菓子が山ほどあるからこれから先は要らないから。そしてお菓子を持って降りて」


「.....え!?食って無いの!?マジに!?」


山の様にあるって事は.....。

いやいやおいおい。

前はポテチだろうが山の様に食っていたじゃねーか!!!!!

俺は愕然としながらポニテを解く.....義妹を見る。

目が凛としている。


現在推定年齢15歳の、だ。

そして、ふんっ、と言いながらお手洗いに向かった義妹。

引き籠った当時は14歳だった。

つまり1年間引き籠っている訳ですが.....。


「1年会わないだけでここまで変わるのか.....人間は.....」


信じられないし有り得ん。

階段にビニール袋に入ったお菓子を落としながら。

俺は青ざめつつ額に手を添える。

でも性格は変わってない。

俺を舐め腐っている。


義兄の俺を、だ。

あの腐ったゴミを見る様な目。

つまり.....痩せましたけど何か?


可愛らしくなりましたけど何か?、とおちょくっているのだろう。

俺は顔を引き攣らせた。

そして悔しいが何も言えない、と思う。


「有り得ない.....」


いやうん。

本気で有り得ない。

ただそう呟くのが限界だった。


それから.....俺は痩せた義妹。

平山翼(ひらやまつばさ)を見て驚きの中に居たのだが。

これから先、更に驚く事になる。

これはそんなラブ.....な感じのコメ、である。



因みに言い忘れていたがこんな根暗でも一応、幼馴染といえるものは居る。

その幼馴染の名前は、里色妃(さといろきさき)、という。

俺とは正反対の明るい感じの女の子だ。


ずっと俺を支えてくれる.....柱の様な。

俺は男だが大黒柱の様に見える少女だ。

そんな妃に今日義妹に言われた驚きの言葉を送信する。


(ほえー。そんな事を言われたんだね)


(そうだな。.....正直驚愕だし.....容姿変わってるし.....怖い)


(いやいや、そんな事言っちゃダメだよ。アハハ)


(いや。確かにだけど)


怖いのは分かるけどそんな事を言ったら傷付くよ?

と妃は苦笑いのメッセージをくれる。

俺は、まあそうか、とメッセージを返した。

それから妃は、それはそうとまたクリンちゃんを観ていたの?、とメッセージを寄越してきた。

俺は、まあな、と返事をする。


(君本当にクリンちゃん好きだよね)


(そうだな。簡単に言えば結婚したい)


(.....あ、あはは.....)


(何だよ。その苦笑い)


(いや。キモい)


最悪だなコイツ!

でも確かにな、と思いながら俺はそれ以上は言わなかった。

すると妃は、そうそう。私ね。.....今度Vチューバーになろうと思う。

と告白してきた.....は?

今何つった。


(私、Vチューバーになりたいの)


(意味が分からなすぎて土星をぶっちぎりそうだ)


(そんなに!?酷い!.....だって楽しそうじゃん。Vチューバーって)


(いきなりすぎる.....大丈夫なのか?)


それは勿論。

と笑顔を浮かべた様な返事をくれる妃。

いや。


コイツが良いなら良いけどよ。

それにしても何でVチューバーになりたいんだよ。

考えながら.....俺は聞いてみた。


(でもお前。なんでVチューバーになりたいんだ?)


(.....え?.....うん。内緒。アハハ)


(.....意味が分からん.....ますます.....)


内緒って何でだよ。

思いつつ俺は額に手を添える。

それから盛大に溜息を吐く。


しかしこの幼馴染の行動だが。

後に嵐を吹き荒らす事になるとは誰が思ったものか。

俺の時間が廻りだしたのだ。


それはまさかこんなので、と思ってしまったが。

それはともかく妃はVチューバー活動を始めてしまった。

まあ声が可愛いしな、とは思うが.....何故?

と思うのだが.....。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る