武装少年<アタッチメント>

貴理山 ゆきと

case 0 【武装少年】

 桜の花びらは散り、雲ひとつない青空から陽がアスファルトの路面へと突き刺さる。

 それを習うように、一本の無垢な白色をした剣が弧を描くように回転し、突き刺さる。


 遅れて耳に刺すような高い音が響き渡り、近くにいた小鳥が翼を震わせ逃げていく。

 音の主は" 4つの目 "を一人の少年へと向け、歪に変形した口を歪ませていた。


「オ前……早ク死ネバイイノニ。何故死ナナイ?」


 少年は耳に付けていたヘッドホンを外し、その異形に言う。


「すまん。聞こえんかった。」


 少年は右手で虚空を掴むように構え、ゆっくりと呟いた。


「アタッチメント・ソード


 すると何もなかったそこから、無垢な白色の剣が再び姿を見せた。

 少年が剣を構え、一歩異形へ踏み込んだ瞬間。


「!?!?!?」


 一瞬の間に異形の背後へと" 移動 "していた。


 その剣に大量の血を浴びせながら……

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武装少年<アタッチメント> 貴理山 ゆきと @yukito-kiriyama

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