11.変な誤解してない?
ついにこの時がやってきた。
数年かけ証拠を集め体制を万全に進めてきた。
シャルをこの場に呼ぶのは本当は嫌だ。
彼女の前で人を捉えたりしたくないし暗殺だなんて聞かせたくない。
でも現れたシャルをみて思わず笑みを浮かべてしまう。
かわいい…
これが終わったらちゃんと告白するから答えてね?
身分
シャルもなにかに気がついたのか微かに震えたように思う。
この人達が集まっていたら怖いよね…
「大丈夫だよ。僕に任せて。」
何があっても守るから…
少し前に出れば自然と注目があつまる。
「本日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。今日皆様に大切なお話がございましてお呼びいたしました。」
彼らを捕まえようとしていることを悟られないよう…人のいい王子を演じて見せよう。
口からすらすらと上辺だけはいい挨拶が出てくる自分はどうかと思うが気にしない。
そろそろいいか…
準備が整ったようだ。
彼らは気がついていないが兵が配置されている。
「皆様それぞれ心当たりがあるかと思います…」
そこで言葉をいったん切る
「拘束せよ!」
集められていた貴族が兵によって捕らえられていく。
決して許さない…
「私の婚約者であるシャルロット・ティファニー公爵令嬢の誘拐や暗殺計画や失敗したようだが実行した証拠。大小様々な不正行為。問い詰めさせてもらおう。」
不正だけならばよかったがシャルを傷つけようとしたんだよ?
それ相応の苦しみを与えるよ。
シャルに婚約当初から護衛を付けていたとバレることになるのは嫌だけど言わないわけには行かないんだよな。
護衛の方は何かない限り報告はないから別に行動を僕が監視していた訳では無いと言うことは一応言っておく。
もし監視していたなら彼女がお忍びで何をしているかまで知っていることになる。
さすがにそこまでは僕の耳に届いていない。
ふとシャルを見ると彼女の顔色は真っ青で今にも倒れてしまいそう。
心配で覗き込むとシャルは今にも泣きそうな顔をしている。
やはり聞かせるべきじゃなかったと激しく後悔するが今更だろう。
まずは今にも倒れてしまいそうなシャルを休ませるのが重要だ。
「ごめんね。突然暗殺とか…聞かせるべきじゃなかったよね。大丈夫?着いてきて、そこで休むといいよ。」
***
ソファまで案内し、距離を詰め隣に座る。
逃げてしまいそうな彼女と離れたくない…
「殿下…ありがとうございました。もう私との婚約は必要なくなったのでしょう?」
とても明るい笑顔…でもどこか寂しそうで…
シャルは本気で僕との婚約が嫌なのだろうか…
それとも…
「まさか…僕があなたと婚約したのはあの人達を炙り出す為だけだと思ってるの?」
「違うんですか?私の父はそういうことには厳しい人ですから父が力を持たないようにする者を炙り出す以外にも何か?」
これだけ聞いて恐らく計画の
根本を知らせてはいないし知らないのだから誤解してしまったのか…
僕がシャルを利用するために婚約したと…
だから…もう必要ないなんて…
「その…はぁ…」
本当に伝わってなかったんだな…
「あなたは僕との婚約は嫌なの?」
「私の頭が足りずに呆れさせてしまったのでしたら申し訳ないです…その…婚約は嫌なわけではありません。でもやはり…殿下と私が婚姻を結ぶとなりましたら我が家に力が集中してしまいます。それは…危険なことかと思います。」
最初の方どこでそう思ったの?!
「え?!あなたの頭が足りないなどそんなことは全くないよ!普段の仕事や社交時の気遣い、初めから婚約の危険性に気がついていたこと、それに今日だけで彼らの炙り出し方を理解したことからも分かるよ。」
「あ、ありがとうございます。」
嫌ではない…今は十分かな…
彼女の気にしている点は解決済みだし、嫌ではないから僕がいいと言わせるまでどれほどかかるだろうか…
そう言ったら逃げられる前に捕まえよう。
気ははやいし拒絶される可能性もあったが準備自体は進んでいる。
そう考えながら見つめているとシャルが照れた…
照れた?!
「うそでしょ…」
かわいすぎ…すぐにでも…
「どうかなさいました?ご気分が優れないとか?」
「なんでもないよ。気にしないで…普段と違いすぎて…」
「その…今まではどうにかして破棄して頂こうと考えていましたので…」
知ってるよ。それはそれで可愛かったけどね。
「僕との婚約は嫌な訳ではないんだよね?ティファニー公爵家に力が集中することが良くないと考えているからってだけなんだよね?」
「は、はい。その通りですけど…?」
望みはない訳では無い…
「逆なんだよ…」
「え?」
やっぱり伝わってなかったんだ…
しっかりと言葉にしないと伝わらないようだ。
「あなたと婚約が先なんだよ…あなたが好きだったから反対勢力を黙らせて手に入れようとしたの。もちろん公爵家同士の力関係が崩れることも危険があることもわかっていたけど…」
「え?私が好き?」
「そうだよ。でもなきゃこんな面倒なことするわけないじゃん。それからティファニー公爵家に力が多少集中しても問題ないようになってるからその心配はないよ。」
本当に面倒なことだったんだよ?何せ2年以上もかかった。
「え?どういう??」
「ここ最近ティファニー公爵や僕が忙しくしてた理由。色々と体制を整えていたんだ。」
このままでは公爵が攻められそうだな。
少しは助けておくか。
「ちなみに公爵には絶対あなたに言わないように念押ししといたから責めないでね。だからその辺のことは心配しなくていいよ。」
言いたくて…でも言えなかったんだ。
「好きだよ。あなたの事が…だから僕との婚約を続けていつしか婚姻を結んで欲しい。素直な…王子とか公爵令嬢とか考えずにあなたが僕をどう思っているか教えて?」
今のままなら僕が王となるだろう。
でも王妃になりたくないというのなら弟に譲りあなたを連れて逃げるかもしれない。
でもシャル…あなたの気持ちを知らなくては意味は無いんだ…
僕自身を見て欲しい…たとえ今は分からなくとも…
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