8.はっきりと仰ってくださらない?
『シャルロット・ティファニー嬢。私の婚約は本気だからその気になったらいつでも言ってくれ。ではまた!』
ジュンシー様は私の頬にキスを落として嵐のようにさっていきました。
……え?
あれ本気なんですか?!
いや?!え?!
驚きましたけど殿下が
思い出したらなんかイライラしますね。
未だに謝罪なしとか絶対忘れているんでしょうね。
これで平和な日々に戻れ…今からですか?
***
食器の静かな音のみが響きます。
なんでお茶会にと連こ…ではなくてお誘いを受けてお城まで来たのですが無言なのでしょうか?
周りから見れば異様な光景でしょう。
婚約者同士のお茶会で2人ともニコニコと笑みを浮かべているのに無言が続く…
地獄ですよ!拷問ですよ!なんの嫌がらせですか!
「あなたは…ジュンシーと婚約したいの?」
やっと食器以外の音が!
と思いましたけど…
えーっと?ん?どういう事ですかね?
「あら?どういった意味合いですの?」
からかうような表情で嫌な感じの笑顔を作りながら聞きます。
だってほんとによく分からないんですもん。
なんとも呆れたような困ったような表情されました。
呆れたのならさっさと私との婚約など破棄してくださいよ。
「もういいよ…気にしないで。」
はぁ…
“なん………うじょうを…”
ん?なんですかブツブツと。
はっきりいってくださいよ!
意味わかんないです。
「なんですか殿下?お声が小さくて聞き取れませんので私には何か仰いたいことがあるのでしたら…しっかりと、私に、聞こえるように仰ってくださらない?」
だいぶ嫌な感じで言いました。
何に対してとは言いませんが少々苛立ちが溜まっていますのでついでにぶつけさせて頂きます。
八つ当たり?
なんとでも!
そもそも殿下が…
殿下が悪いんですもん!
あれは私に非はありません!
普段の言動に対してでしたら私の非を認めますけど!
だってそれはわざとですもん!
あー!思い出したらまたイライラしてきましたー!
「いや……」
なんなんですか!
あーもう帰らせて頂きますね。
私の意向ともわがままに振る舞うという目的とも一致しますので!
「私は帰らせて頂きますわ。本日はありがとうございました。それではご機嫌麗しゅう。」
だいぶ不敬が過ぎる気がしますけどいいですよもう!
“王家に嫁ぐものとして礼儀がなっていない”とでもいってさっさと婚約破棄してください!
サッと立ち上がり止める暇を与えずに帰ります。
***
そしてまた2週間ほど立ってしまいました。
どうせ婚約破棄されるつもりなのでいいですが1ヶ月や2週間と長い間婚約者を放置するのは良くないかと思いますよ。
まぁ、私もお父様の手伝いで忙しかったので全然よかったのですが!
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