人間ゲーム

のらだぬき

プロローグ

学校。


それは共に勉強に励み、共に遊び、信頼関係を育む場所。


体育祭や文化祭などの学校行事があれば、皆で一つになり協力しあう。


「一致団結だ!皆で頑張るぞ!」


そんなかけ声を決めて、皆与えられた目標を達成しようと取り組む。


もし友人同士や恋人同士でいざこざが起きた場合、怒りを心の奥にしまい込んで笑顔を作るか、本人以外の人に伝えたりする。


そうやって、楽しく学校生活を過ごそうとする。


なんて。


オレはこれっぽっちも考えていない。


思いたくもない。


学校は、自分の気持ちを押し殺して、友人の機嫌を取る。


そんな場所だ。


平等であるはずが、いつの間にか見えない上下関係が出来、自分より下だと思うヤツを見下す。


つい最近まで私たちずっと一緒と言っていた女子生徒たちが、少しのいざこざでキライなヤツへと変わっていく。


それが段々とどす黒い感情に染められて、少しのいざこざからイジメへと変わっていく。


学校なんてくだらない。


偽りの友人を作って。


偽りの恋人を作って。


偽りの笑顔で笑って。


何が楽しいというのだろうか?


だが、もし。


そこで命がけのゲームをしたら、どんな風に変わるのだろう?


漠然としていた死が迫って、本性を現すのか。


それとも、命がけのゲームをしても変わらないのか。


考えただけで、ゲームをしている風景が頭に浮かび、武者震いしてしまう。


一度ゲームをしてみたいものだな。

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