第13話 夢か現か
幼少期
それは、まだ、夢と
「どうしたの?」
髪の長い、赤い服の、綺麗なお姉さんだった。
「そう、遊んでるの?でもね、そんなにアリさんを殺しちゃ、ダメよ」
翌る日。
「どうしたの?」
やはり、髪の長い、赤い服の、綺麗なお姉さんだった。
「そう、遊んでるの?でも、子猫を川の中に投げたら可愛そうだよ」
また、翌る日。
「どうしたの?」
髪の長い、赤い服の、綺麗なお姉さんだった。
「そう、でも、わたしはイヤだな。セミを食べるのは」
また、翌る日。
「どうしたの?」
あの、髪の長い、綺麗なお姉さんだった。
「どうして、今日は白い服なの?」
「いつも、白い服よ」
「えっ、いつもは赤だったよ」
「まだ、ヒトを殺してないから」
そう言って、お姉さんは笑った。
口の中には、ギザギザの牙がたくさんあった。
わたしは、そのお姉さんが怖くなり、走って走って走った。
そして、家の中に入り、一息ついだ。
「どうしたの?」
今度は、あの、長い髪の、真っ赤な服を着たお姉さんが、私に尋ねてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。