第2話 アタシを縛る職業という鎖

子供の頃は、職なんて分け隔てく、誰とでも仲良く楽しく遊んでいたんだよ。


朝から大きな噴水のある広場で、時計塔の鐘が鳴る夕方までね。

かけっこして、かくれんぼして、一緒にお弁当を食べたり、ときに喧嘩したりして。


それが、アカデミーに通いだした途端、同じ職業同士でクラス分けされて、生活するようになった。


そして、勇者と出会うと、頭を下げて道を譲るのが暗黙のルールとなっていて、

ついで、戦士、僧侶、魔法使い、武道家、盗賊にも同じ様にしなくちゃいけない。


信じられる? 盗人に頭下げるんだよ?


アタシ達が唯一、対等以下に付き合えるのが遊び人だけだったので、他の商人たちは、まるで日頃の鬱憤を晴らすかの様に、遊び人に横柄で傲慢な態度を取ってたけど…アタシはそんなの真っ平ごめんだった。


職が違うと言うだけで、こうも格差が出てくる世の中そのものが心底イヤだった。

人様の役に立とうとどんなに頑張っても、賛美を浴びるのは決まって勇者様。


とある洞窟から無事戻ってきただけで、それこそ町を上げてのパレード騒ぎだからやってられないって!

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