第265話 不幸のお裾分け!?

 私が『不幸を、お裾分けして上げる♪』と言っても、有り難く貰う人は絶対に居ないだろう。

 そんな奇特な人が居るなら、私は喜んで、不幸をお裾分けして上げるどころか、全ての不幸を上げてしまう!!


 不幸の感じ方は、人それぞれで有るだろうが、私は不幸だと感じている。

『生きてるだけで丸儲け』の言葉が有るが、それは九死に一生を得たから言える言葉で有る。


 生きる素晴らしさを感じられるのは、己の人生が順風満帆だから感じられることが出来る。

 先行きが見えない人間に、生きる素晴らしさを身から感じることが出来るのは、冗談抜きで世界が崩壊する時で有る。


 全ての貧富が世界の崩壊によって一時的に失われ、僅かな時間で有るが、全ての人間に機会がやって来る。

 その間に何かを成し遂げることが出来れば、人生は好転して、生きる素晴らしさを感じることが出来るだろう!


 話が少しれてしまったが、私が不幸と感じている部分を、誰かに分けて上げることが出来れば、いや、分けて上げるでは無く受け取って欲しい!?

 不幸の体験で有る!?


 だが、もし。強運人生の人に、私の不幸の一部を貰ってくれたとしても、人生に影響は余り出ないかも知れない?

 強運の人は、不幸を不幸と感じないからで有る。


 でも、それは、実際に行ってみないと分からない……


 ☆


 私は不幸で有るが、身近に幸運の人は居ない。

 身近に幸運の人が居れば、私は“幸運”のお裾分けを、貰うことが出来るかも知れない?


 けど、幸運の人が私の身近には居ないから、それが出来ない。

 私は人望が無いから、誰かが幸運を持って尋ねて来ることはないし、今日も孤軍奮闘している。


「この不幸……誰か貰ってくれないかな?」

「それか、身近に幸運の人が現れないかな?」


 運はバランスと言うが、私の場合は完全バランスが崩れてしまっている。

 これを修正させるには、どうしても幸運が必要で有る!!

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