第91話 切り売り……

『不採算事業や見込みの無い事業は売ってしまえ!!』


 これがとある国に有る、企業の代表的なやり方だ……

 将来のビジョンを全く見ず、目の前の事しか見ていない、愚かな企業集団。

 そして、己の保身しか考えない、サラリーマン社長や取締役集団……


 企業の一部門を売却や解散させると言う事は、必然的に人員整理が行われる。

 これに依って、仕事を失う人も出て来るし、他の部署へ異動や転勤を命じられる時も有る。

 必然的に経済は回らなく成って行く……


 唯一、この行為に依って、ほくそ笑むのは誰だろうか?


 銀行だろうか?

 株主だろうか?

 ファンドだろうか?

 それとも、それを実行した人だろうか!?


 赤字事業を廃止する行為はやむを得ないが、本当によく考えて行動しているかと、毎回感じる。

 今では世界的な半導体不足だが、かつてはその国も、世界に誇る半導体生産国で有った。


 しかし、価格競争や研究費用・設備投資を惜しみ、短絡的な思考で半導体生産企業は、事業を売却・撤退していき、今では型遅れの設備で、細々と作れる工場しか無くなってしまった。


『こんな未来が来ると分かっていれば、事業を継続させるべきだった…』と嘆いている企業も有るかも知れない!?


 その国は、今、大きな転換期を迎えている。

 今までは、二次産業を中心とした国家であったが、これからは三次産業が本当の中心に成るのだろうか?

 それとも、このまま国家崩壊の道に進むのだろうか?


 都合が悪くなったら、何でも潰すこの体質は、この国のDNAかも知れない……

 そんなDNA国家なら、滅んだ方が良いかもしれない……


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