第62話 残金775円

 もう、駄目だ……

 生活費が底を尽きてしまった……

 残金は775円。


 これでは、後1食から2食が限界だろう。

 それとも、”もやし”と豆腐と茹でうどん玉で、もう少し耐えるか!

 味付けは勿論、塩のみだ!

 けど、それを耐えても収入の見通しは無い。


 今後の生活はどうすれば良いのだ?

 携帯電話などの月末支払いは、どうすれば良いのだ??

 どうして、こう成ってしまったのか……


 流行病はやりやまいの所為だろうか?

 私が世の中を舐めていたのだろうか?

 それとも、只単に運が無いだけだろうか……


 幾ら考えても、お金は減る事が有っても、勝手に増える事は無い……

 無謀だが、最後にスクラッチに望みを掛けるか!!


 そうすれば、が出来るかも知れない!!

 100万円が当たれば、当面は安泰だ!


 私は小銭を握りしめて、宝くじ売り場に向かった……

 本当に最後の望みを掛けて……

 たとえ全額を失っても、それが運の尽きだ……


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