第61話 聴覚過敏

 私は静かな生活を望んでいる。

 ドアの開閉や、足音だって私は周りに気遣っている。


 でも、みんながみんな気遣ってくれる訳では無い。

 力任せにドアを閉めるやからも居れば、像が歩く様な足音を立てて歩く、人間では無い動物も居る。


 私は元々、耳が良かったのが災いして、この様な音に絶えられなく成ってしまった。小さな物音でも、気に成る時が有る。

 私の耳は、水上艦や潜水艦のソナーテクニシャンに匹敵する位の、聴音能力が有る筈だ。僅かな小さな音も逃さない!?


 半分冗談では有るが、半分は本当で有る。

 人が気に成らない生活音でも、私は過剰に感じてしまう。


 耳栓をしても低音は防げないし、耳栓をすると耳内部が蒸れてしまうから、24時間の装着は出来ないし、自ら耳を失う事にも成ってしまう……

 私は共同生活が出来にくい体質に成ってしまった……

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