第54話 偽善

 この世は偽善で出来ていると言っても過言では無い。


 上辺だけの公約。

 平等の社会。

 矛盾だらけの環境活動家。

 国際競争に完全負けているのに、まだ復権出来ると言い切る、官僚や御用学者。

 言い出せばきりが無い。


 この世に善は存在しない。

 と言うべきか、善が無く成ってしまった……


 今の時代は『小さな親切、大きなお世話』だし、赤の他人と関わる必要性も無く成った。

 初めての土地に行ってもスマートフォンさえ有れば、地図アプリで行き先を調べられるし、人に聞く前にWebで調べる方が簡単だし楽で有るからだ。


 それに、権利が凄く主張される時代に変わりつつ有るので、下手に声を掛けるとろくな目に遭わない時代にも成ってきた。

 善意が悪意に取られてしまったら、親切にした人が悪人にされてしまう!

 自然と善人は居なくなり、偽善者ばかりに成って行った……


 偽善の一例では無いが、自然環境を真剣に守ろうと考えたら、この便利な生活を全て捨てなければならない。

 全部は言い過ぎかも知れないが、地球温暖化は確実に進んでいる。

 色々なキャンペーンを上げているが、それを真に受けて実行している人は少ないだろう。

 言うまでも無いが、金品の為に参加しているのは論外で有る。


『平等の社会』の考えは素晴らしいが、そんなの実現出来る訳が無い。

 平等の中でも勝手にランク付けされるし、社会が機能する以上、危険な仕事や環境が厳しい仕事がどうして有るからだ。

 その中で、どうやって”平等”を維持するのだろうか??

 平等を謳うこそが偽善では無いだろうか!


 私も偽善者の一人だ……

 また、善人に戻れる日が来るのだろうか……


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