第30話 紅葉

 紅葉こうようが見頃の時期に成った。

 紅く成った、紅葉もみじ等の落葉広葉樹を見ると、自然と心が物寂しくなる……


(また、寒い冬がやって来るのか……)

(朝起きるのも辛い時期に突入するし、嫌だな……)


(……今年も、冴えない1年だったな)

(毎年ながら、中途半端な人生だ……)

(何が、行けないのだろうか?)


 毎年だが、そんな事を考える私。

 紅葉こうようが見頃に成ると言う事は、冬が目前に迫っているサインだからで有る。


 まもなく、寒い冬がやって来る。

 そして、私の人生も華どころか、つぼみも出来ずに、心寂しい冬に入っていく。

 実なんて、以ての外もってのほかだ。


 毎年、来年こそはと想うが……何も成果が出せずに、時だけが過ぎていく。

 来年こそ、私に転機が訪れるのだろうか!?


 紅く染まった、葉を見つめながら、私は心の中でそう感じた。

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