第13話 あなたはだれ?

 時々、自分を見失う……

 テストで悪い点を取った時。親友とケンカをした時。親に叱られたり、文句を言われた時。


 努力とは何だろう…? 

 頑張っても、悪い結果だったらどうするの?? 

 ただ、僕の心が弱いだけか!?


 そう考えてしまうと、もう何もやりたく無く成る。

 食事も、親が作ってくれるから食べるだけで、そうで無ければ有るものを食べるか、食べ物が無ければ、心が落ち着くまで食べない。


 僅かに親友は居るが、その親友にも相談せずに、只落ち着くまでジッと部屋にいる。

 寂しいとは思わない。

 でも、空しい気持ちに成る……どうしてこんな風に成ってしまったんだろう? 


「親?」 

「親友?」

「クラスメイト?」

 

  誰かの所為にする? 

  あなたが、一番の原因じゃないの??


 その言葉が…、頭の中でグルグルと巡る。何時まで経っても消えない……もう嫌だ!

 死ぬのは簡単だ。でも、それで良いのか!? 

 無駄な人生だと感じるけど、そのまま無駄で終わらせて良いのか!??


 今日も自分を見失う…。今、何をしたいのだろうか?

 こんな馬鹿げた考えをしている間に、親友は誰かと楽しんで居るだろうし、幸せを満喫して居る人も居るだろう……と、思ってしまう。


「なのに、何で僕だけ……」


 頬に一筋の涙が流れる。

 泣いている…。男なのに泣いている……僕は、ゆっくりとつぶやく。


「ねぇ、あなたはだれ…?」


 自分自身で聞いて見ても、勿論答えは返ってこない。

 部屋でうずくまる一つの固まり。

 そのまま固まりに成るか、それとも……

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