第12話 SNS

 今日は1日が凄く長く感じる。

 ゲームをしても、勉強をしても、部屋の掃除をしても全然時間が進まない。

 もう何回目だろうか。SNSのチェックをするのは…。何度見ても新着は来ない。


 苛立ちを抑えるために、気分転換に窓を開ける。

 スズメのさえずりと冷たい風が部屋に入ってくる。

 冷たい筈なのに何故か心地良い。


 遠くの空から聞こえて来るのは飛行機の音だろうか…?

 ふとつられて遠くの空を見ると、どんよりとした雲が広がっている。

 まるで、俺の心みたいだ。


 彼女の笑顔が頭の中に出てくる……

 決して美人ではないけど、俺の中では世界一美人な女の子。

 彼女の事を考えると、思わず顔がにやけてしまう……。それだけ好きな女の子。


 付き合いは長いけど関係は浅い。本当は逆に為って欲しい!

 夕方も近い事も有って、流石に冷えて来たので窓を閉めようかなと考えた矢先、SNSの着信音が鳴る♪


 俺はサッと机に向かって走り出す!

 窓も閉めずに、机に置いてあるスマートフォンを取り、SNSを確認する。


「やっときた!」


 思わず口に出してしまう。彼女からのSNS。


『うん!』

『ありがとー!!』


 たった2行だけど心がホッとして、胸の鼓動が高まる……


「でも、これじゃあ会話が続かんな…。今度は何て送ろう?」


 彼女の次の返信を楽しみにしながらメッセージを打っていく。


(心と心は繋がってるんだよね!)


 そう思いながら、送信ボタンをゆっくりと押した。


(あの子の笑顔も、返って来ますように……)

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