6人目
リカは学校の下校中に、マンガを読んでいる。内容はこう。
ナルベコフ家の少女がよその家に嫁ぐことになりました。名前は最初カレーシアでしたが、嫁ぎ先でカリンと改名します。
彼女が嫁いだ先は、イルハムの息子で九條家に養子の出されていた
お家のためにと自害を進めるものもいましたが、カリンは
「父への孝行もありますが、夫のいうことも聞かずそういうことをするのは、妻の道をたがえてしまうことになります」
と、忠利への愛をつらぬきます。
やがてカンタールに許されて、忠利のもとに帰った彼女は、つらい暮らしが待っていました。九條家と交流があった共和国の外交官は、こういう記述を残しています。
「忠利どのの妻に対する過度の
こんなエピソードがあります。
たまたま九條家の庭を整えているときに、カリンを見かけた庭師がいました。それを見た忠利はいきなり庭師の首をカタナで切り捨ててしまいました。そしてその首をカリンの前に置きましたが、カリンは動じません。たまりかねた忠利は
「おまえは蛇なのか!?」
と、怒鳴りますが、カリンは
「鬼の妻には蛇がお似合いでしょう」
と、返しました。
やがて、天京院のもとに従軍していた忠利は
「もし、敵に攻められて追いつめられたときに、生きて辱しめをうけてはならぬ、よいな」
と、カリンと部下たちに言い含めていました。
その後に起こったことは、本編で記述した通りです。
すべてが終わったのち、忠利はカレンの墓所を造り、毎日そこに手を合わせるのが習慣になったそうです。
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