シーくん、いつまでやってるの?

 若い中でシレア城内に詳しい一人は濃紺の瞳の青年だろう。今日も廊を走っている。

「おっとシードゥス走るなよ」

「すみません、料理長にどやされるんで」

 焦り露わな青年に、大人二人が怪訝な顔をする。

「調理場に人を足す必要があるか」

「へ?」

「シードゥス、昇格しただろ……」

「料理長も困りものだな」


 ※ネタバレするので伏せますが、いつまでも下の立場の時の癖って抜けないことも……

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