魔女の最後の恋

@biezie

魔女の娘の独り立ち

 私のママは魔女だ。本当の魔女。魔法を使い、薬を調合し、知識を集め、摂理を探求し、気まぐれに助け、気まぐれに敵対する。物語で語られるあの魔女だ。娘の私から見るとただのズボラにしか見えないけれど、あれはあれで結構すごい人らしい。まぁたしかに、娘から見ても美人だし、作ってくれた薬はよく効くし、たまに使う魔法もすごく綺麗だとは思う。あと、見た目が記憶にある限りずっと変わらないのはちょっとうらやましい。もう娘というか姉妹っていうくらいになってしまった。


 ママといっても血はつながってなくて、赤ん坊の私が今いるこの森の端っこに捨てられていたのを、たまたま街から帰ってきたとこだったママが拾ったらしい。この森は結構危なくて、森の端っこでもオオカミやらクマらが出る。その原因は森の真ん中に住んでいるママなんだけど……。ママがいなかったらそんな危険な森じゃなかったかもしれないとは思うけれど、なんにせよママの気まぐれが助けるほうに行ってくれたのは、我ながら運がよかったんだと思う。


 そんなママだが、最近いい加減街に出て独り立ちしろとうるさい。そのたびに私は、こんなズボラなママをほっとけないって言うんだけど、ママはママで自分の身の回りのことぐらい自分でできるって言い返してくる。家事とか何にもしないくせによく言うよって感じだけど、私が小さいころはママがご飯作ってくれたりしたのは覚えてるし、長生きしてる分なんでもできるのは知っている。まぁ未だに何歳か教えてくれないけどね。最近は教えてくれないんじゃなくて忘れてるんじゃないかと予想してる。


 街には薬草や狩った動物なんかを売りに行ったりしてて、確かに人が多くて便利だし楽しいところだと思うんだけど、多少不便でも住み慣れた家のほうが落ち着くし、もうしばらくこの家に住みたいなぁ。


 もう一つこの家を離れたくない理由があって。というか、こちらのほうが理由としては大きい気がするけれど……。それは昔から好きなあの人がいつもここに来てくれるから。あれはもう何年も前になるけれど、確か11歳くらいだと思う。ちなみに拾われた日が誕生日になってるよ。その時すでにママに鍛えられて知っている獣くらいなら一人で狩れるようになってた私は、寝ているママに黙って森の中で遊んでたんだ。いつも口うるさく言ってくるママがいなくて好きに果物食べたり、行ったことのない場所に行ってみたりして楽しかったのを覚えている。まぁ一人で大丈夫だと思っていたのはママが大丈夫な場所を選んでくれていたということを理解していなかった私の勘違いなんだけど。


 ひとしきり遊んだ後、暗くなってきたのを感じて、ママはもうさすがにもう起きているだろうし、帰ったらめちゃくちゃ怒られるんじゃない?ってことにやっと気が付いて、急いで帰ろうと家の方角に走っていた。けど、静かに近づくオオカミの集団には気が付かなかった。走っているうちに先に回り込まれたみたいで、いつの間にか私は囲まれていた。


 しばらく森を走っているとふいに目の前にオオカミが現れた。ハッとして周りを見渡すとそこら中にオオカミがいるのが見える。普通なら逃げるところなんだろうけど、私は急いでたこともあったし調子に乗ってたから逃げるなんて考えずに、オオカミを仕留めてやろうと思ったんだ。オオカミはママに連れられて、はぐれて歩いていた一頭を遠くから弓で射たことがあったから、多分大丈夫だと思ったんだろうね。ママは群れを見かけても相手にしてはダメって言っていたと思うけど、その時にそんなことを思い出すこともなかったし、どのみち思い出せても囲まれてたからどうしようもなかったかな。


 ナイフを振り上げて襲い掛かった瞬間に、横から別の一頭に襲い掛かられてバランスを崩し、次の瞬間には周りのオオカミ達が牙や爪を立てて襲い掛かってくる。運がよかったというか、ママ特製の狩猟用の服を着てたから転んだまま丸まっていればすぐにやられるようなことはなかった。けれど、肌が出てる顔とか首やら手足に傷がついて血も出てるし服の上からでも痛いのは痛いし、このままじゃまずい。

 

 私はその時になってようやく護身用に持たされていた爆音の魔道具を思い出す。爆音の魔道具は起動するとしばらく後に大きな音が出て獣を追いやったりする魔道具だ。護身用とはいっても間近で聞くと失神するぐらいで結構危ない。焦ってはいたけど、私は何とか起動してオオカミのほうに向かって放り投げて耳をふさだ。


「バン!」


 大きな音がふさいだ耳越しに鳴り響いた瞬間、オオカミの攻撃が止まる。しばらくそのまま動けずにいたが、恐る恐る顔をあげ周りを確認すると放り投げた近くのオオカミが気絶しているのが見えた。周りのオオカミも気を失ってはいないが、動けなくなっているようだ。しかし、少し離れたところにいた3頭のオオカミはまだ動けるようで、警戒しながらゆっくりとこちらに近づいて来ているのが見えた。私は立ち上がろうとするが、うまく足に力が入らない。周りの木を支えになんとか立ち上がることに成功するが、すぐに力が入らなくなり、尻もちをついてへたり込んでしまった。その様子を見たオオカミたちが速度をあげこちらに向かってくる。走りながらオオカミが口を開けると鋭い牙が見え、「ああ、これは死ぬのかな?」と考えた瞬間。


「ザシュ!」

 

 目の前のオオカミの頭に矢が生える。矢を生やしたオオカミは口を開けたままそのままの勢いでこちらに向かってくるが、私に届く前に倒れこんだ。あっけにとられていたらいつの間にか後続の2頭も倒れていた。周りを見渡せば先ほどまでへたり込んでいたオオカミたちにも軒並み矢が刺さっており、すべてのオオカミが動かなくなっていた。


「た、助かったの……?ママ……?」

「おい、大丈夫か!」


 突然、上から大きな声が聞こえ、ドンッという音とともに目の前に男が降ってきた。


「ひゃあっ!」


 至近距離にいきなり合わられた男に驚いた私は目をつぶり、手で男をつき飛ばそうとする。


「え、あ……す、すまない。驚かせてしまった。もう大丈夫だから安心してくれ」

「ん……」


 男の謝罪の声が聞こえる。ゆっくりと目を開けてみると突き出した手の向こう、眉を下げこちらを心配そうに見ている男の顔が見えた。

 

「あ、た、助かったの……?」

「ああ、もうオオカミたちは全部仕留めたから、大丈夫だ」

 

 男の言葉に改めて周りを確認すると、オオカミたちはピクリとも動かない。

 

「よかった……」


 もう大丈夫なんだと確認し、近くに助けてくれた人がいることに安心したのか私は意識が遠のいていくのを感じた。



 ・・・



 気を失った私は身体が揺れているのを感じて目を覚ました。誰かの背に背負われているんだって気が付いて、一瞬ママかな?って思ったけどどうも固いし何か違う。知らない人に連れ去られているって焦った私は背中から離れようとしたんだけど……。

 

「うおっ、気が付いたかい?」

「は、離して!」

「おお?まぁ落ち着きなさい」

「はーなーしーてー!」

「あんなことになってたのに元気だねぇ」


 男がのんきに笑ってこちらをなだめてくる。そこで初めてオオカミに襲われていたことを思い出しさらに私は焦った。


「あ!そうだ!オオカミ!」

「ははは、覚えてないのかい?オオカミたちは全部仕留めたからもう大丈夫だよ。そのままにしてるから後で戻らないといけないけどね」

「あ、そうだった……」

「そうだよ、だから安心して」

 

 気を失う前のことを思い出し安心する。同時にこの男の人が助けてくれたことも思い出した私は、背負われていることが急に気恥ずかしくなってきた。


「た、助けてくれてありがとうございました……」

「うん、どういたしまして。大きな音が聞こえたから何事かと行ってみたんだけど、君がオオカミに囲まれてるのを見たときは、本当に焦ったよ。間に合ってよかった」


 背中の上から周囲を見渡すと先ほどの場所から離れており、森の外へ向かって歩いているようだった。見るとその人は弓と矢を腰につけていて狩人のようだった。


「森の外に向かってる?」

「お、よくわかるね。そうだよ、何があったのか知らないけど、ちゃんと家まで送るから安心してね。ところで、傷はどうだい?一応手当はしたけど痛いだろう?」

「え、あ、痛い!めっちゃ痛い!あ、て、手当してくれてありがとう。あ、いやそうなんだけど、そうじゃなくて、えと、家はそっちじゃなくて逆方向なの!」


 傷のことを聞かれて気が付いたけど、体中がめっちゃ痛かった。それに家と逆方向に向かってると分かってめっちゃ焦ったよね。帰るのが遅くなるって。

 

「ん?君はこの先の街の子じゃないのかい?別の街の子なのか?というかなんでまた森の中になんていたんだい?」

「違うの!ダメ!早く帰らないとママに怒られる!降ろ……っ痛った~~!」

「ええ、いやいや、ダメだってそんなにケガしてるのに、足だって痛いんじゃないの?僕がこのまま送るから家の場所を教えてくれるかい?」


 背中の上から降りようとしても体中が痛くてどうにもならない。足も触ってみるとかなり痛い。これで歩くのはちょっと辛そうな気がした。けど、急いで帰らないといけない気持ちも強かった。


「でも、急いで帰らないといけないし……」

「ふふ、ママに怒られるのが怖いのかい?なら僕も一緒に謝ってあげるよ。けど、傷だらけの娘をそんなに叱らないと思うよ?」

「ほんと?」

「ああ、それで君の家はどこなんだい?街の名前とかわかるかい?ママの名前は?」


 ママに叱られるのは怖かったけど、この足で動くより連れて行ってもらったほうがよさそうだし、この人を連れて行ったらママもそんなに怒らないかなぁなんて思ったから、その質問に答えることにした。


「……えと、森の魔女」

「ん?」

「森の魔女が私のママ」

「ええ!?森の魔女様!?」

「そう」

「ん?ああ!君はあの子なのか……!」

「私のこと知ってるの?」

「ああ、知ってるというか、何年か前に魔女様にご挨拶に行ったときに見かけたというか」

「そうなんだ」

「あの小さい子がこんなに大きくなってたんだねぇ……」

「え、あーうん。だから森の外は逆方向で……んと、家はあっちだと思う」

「そうか……う-ん……」


 街へ向かうときに通ったことがあるあたりだったから、大体の家の方向は分かっていたのでそちらを指し示すが、男は困ったような顔をこちらに向けてきた。


「場所わかる?」

「ああ、いや、魔女様のお宅はわかるよ、けど……魔女様のお宅は森の真ん中近くだし、今から君を背負って行くのは危険だから難しいかな……。当然、君を一人で行かせることもできないよ。魔女様の娘さんに何かあったら申し訳が経たないし、何より君を危険な目に合わせられないよ」

「え、そんな!?」

「とりあえず今日のところは僕の家に帰って、明日動けたら家まで送るよ」

 

 体中が痛いことは確かで背中から降りることもままならないのはわかっていたので、不安だったけどしぶしぶ納得する。


「う、うん……わかった……」

「うん。じゃあしばらくかかるからこのまま休んでていいよ」

「うん……」


 そういって目をつぶると、すぐに眠気がやってきて、私は意識を手放すように眠りについた。



 ・・・



 次に目を覚ましたのは翌日の昼頃だったが、知らない部屋で目を覚ました私は、しかしそんなことを気にする余裕などなかった。昨日のケガで体中が痛くて寝返りを打つこともできない上に、熱が出ているのか頭が朦朧とする。のどが渇いてが水が飲みたい。周りを見ても見当たらないしあったとしても身体を動かせないから飲めないだろう。それに何より昨日からママに会えていないのが寂しかった。ただただ辛くこのまま死んでしまうんではないかと不安に思っていると、男の顔が覗き込むようにひょこっと現れた。昨日見たのと同じように眉を下げて心配そうな顔をしていたのがおかしかった。


「よかった、目が覚めたんだね。このまま目が覚めないんじゃないかと心配してたんだよ……今、お医者さんを呼びに行かせてるからね」

「あ……水……飲みたい……」

「ん?ああ!わかったすぐ汲んでくる!」


 男が部屋から出ると、まだ死ななくて済みそうだと分かって少し余裕が出たのか、いろいろなことが思い浮かんだ。ママは一体どうしているだろうか。心配しているだろうか。もう私のことなんでどうでもいいって思ってるんじゃないだろうか。ひょっとしてもう会えないんじゃないか。そうやって考えているとどんどん悪いほうに考えていってしまい次第に涙が出てくる。


「……うっ……っうっ……ひッ……!」

「っ!?大丈夫かい!?何かあったのか!?」


 男がドアを開けるとこちらの様子に気が付いて慌てて駆け寄ってくる。


「ち、違……っ……の……ひッく……ママに会いたいよ……」

「……ああ……そうか……ほら!水を汲んできたから、とりあえず飲みなさい」

「う……うん……ひっ……!」


 男に支えられながら身体を起こし何とか水を飲む。久しぶりに飲んだ水はぬるかったけどとてもおいしかった。しばらく男に背中をさすられたりなだめられたりしていると涙も収まり、落ち着いたのかまた私は眠りについた。



 ・・・



「このバカ娘が……」


 そんな声が聞こえたと思う。人がいる気配に気が付いて、目を開けると目の前にめちゃくちゃ怒っているときのママの顔が現れた。こんな顔を見るのはママの研究室に忍び込んで遊んだ時以来な気がする。


「あ、えと……まま……お、おはようございます」


 寝る前にあんなに会いたかったママがいるのだけれど、今すぐ逃げたい気分になっている。けど身体が痛いし頭は未だに朦朧としているしでそんなことはできそうになかった。


「おい、バカ娘」

「は、はい」

「体中の傷から身体に悪いものが入っていた。傷を負ったら綺麗にしろと教えたはずだが?」

「ご、ごめんなさい……ッ寝てしまって忘れてました……」

「はぁ……主人、すまないが、少し部屋の外に出ていてもらえるか?少しこのバカを治療するが服を脱がすのでな」

「え、あ、は、はい!」


 また男のほうにママが振り返り声をかけると、男はあわてて部屋を出て行った。

 

「さて。服を脱いで傷を見せろ。」

「は、はい」


 私は服を脱いで傷口を見せる。


「治療といったが傷口の確認だけだ。すでにお前が寝ているうちに魔法で処置している。教えたと思うが他人に魔法をかけるのは意識がない状態でないと難しいからな。悪いものは取り除いておいたから、死ぬことはないだろう」

「ほ、ほんと?よかった~」

「言っておくが、こんなことができるのは世界中探しても私だけだ、あのままにしていたら数日後には熱で苦しんだ末に死んでいたはずだ」

「え……」

「お前は二回死んだということだ。最初はオオカミに襲われて、二回目は病気に。今生きているのは単に運が良かっただけだ。分かったな」

「は、はい……」

「傷のほうもある程度は処置している。なるべく丁寧に治したつもりだが、跡は残るだろう」


 そういってママは少し悲しそうな顔をした。

 

「あとは、ここだな」

 

 そういって今度はにやついた顔で私の脇腹をつかむ。


「っ!いっっっったーーーーーっ!!!なにすんのよっ!痛いじゃない!」

「そこは治していない。せいぜい痛みを覚えておくことだ」


 そういってママは痛みにもだえる私のもとを離れて扉を開けて外にいる男のほうに向かっていった。


「ま、魔女様!大丈夫なんですか?大きな声が聞こえましたけど」

「ああ、騒がせてすまなかった。主人、先ほども伝えたが娘が世話になったな。貴殿がいなかったら娘は死んでいただろう。本当にありがとう」

「と、とんでもないです。私は当然のことをしただけで……」

「ところで、娘のことだが……すまないが、もうしばらく預かってもらえないだろうか?治療はしたが、まだ熱はあるし、腹のあたりは骨折もしている。しばらくは動かさないほうがよさそうだ」

「あ、ええ、はい。それはかまいません」

「すまんな。この礼はまた日を改めてきちんとさせてもらう」

「い、いえ、いつも魔物や薬なんかで街のみんなが世話になってる魔女様にお礼なんてしていただかなくても……」

「ふむ……まぁこちらの気持ちだそういわず受け取っておいてくれ」

「はぁ……」


 それで話し終わったのかママが再びこちらに近づいてくる。


「……とりあえず今はおとなしくして身体を治すことを考えろ。わかったな?」

「は、はい」

「よし。町医者が置いていった薬がそこある。熱さましだからそれも飲んでおけ。私は一度帰って薬を用意してくるが、また明日にでも持ってくる」

「分かりました……」

「では、主人。そういうことだから、しばらく娘の世話を頼む」

「は、はい。わかりました。お世話させていただきます」

 

 こうして、助けてくれた男との生活が始まった。もう分かってると思うけど、まず命を助けてもらって、次に一緒に生活して、いろいろその人のことを知っていって、そりゃあその人を好きになっちゃうよって思うよ。


 そのあとすぐわかったんだけど、その人には一緒に住んでる甥と姪がいたんだ、よく考えたらさすがにママも年頃の娘を独り暮らしの男の家には放り込まないよね?今考えるとそれでもよかったんじゃないかなって思うけど……。まぁとにかく、その二人とは年が近いこともあって今でも仲良くやってる。姪のほうは街で遊んだり、狩りに行ったり。甥のほうが魔法素養が高かったみたいで、ママに魔法を教わったりしてるし家で会うことが多い。ママは基本人に魔法は教えないんだけど、私を助けてくれたお礼ってことで特別らしい。

  

 その人が今でも家に来てくれるから、やっぱり今の所はこの家に住んでたいかなぁ。その理由が、私じゃなくてママに会い来てるってのが悲しいけれど。そりゃあママはいつまでも美人だし、なんでも知ってて話も面白いけど。私のほうはなんか避けられてるような気がするし。確かに、あの時の傷が首筋とかに残ってて気持ち悪いって言われたことはあるけど(その相手はボコボコにしたが)あの人にそう思われてるとしたら、私はどうしたらいいかわからない。何より、この傷はあの人に出会った切っ掛けで、この傷がない私はあの人に会うことは無かったんだ。それはきっととても嫌だ……。


 けど最近のママと甥を見てると結構怪しいんだよねぇ。なんか前よりぎこちないっていうか。子供のころから見てるけど、甥の方はママのこと明らかに好きだったし、最近なにかあったのかママのほうもなんか意識してる感じがあるし。それだったら、さっさとくっついちゃえばいいのにな。そしたらあの人が森の家に来る理由もなくなって、私も独り立ちできるのに。ちょっと卑怯かな?


 とにかくそんなわけで、私の独り立ちはもうちょっと遅くてもいいかなって思うんだ、いつかは出ていかないといけないとは思うけど、ママのお世話しなきゃだし、あの人に振り向いてもらわないといけないし、ママの恋を見届けないといけないし?ちょっとそんな暇はないかなって。

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