203.レオナの実力

 僕は現在、屋敷内で正座で座っている。


 いや、座らされていた。


 ――――セレナお姉ちゃん達はすっごく心配したみたいで、物凄く怒られた。


 いや、今怒られている。


 ――――何かガミガミ言われているけど、ごめんお姉ちゃん。全然耳に入らない……。



 えっと……勝手にお見合いをするなんて、どういう事よ? と言われても……お父さんがどうしてもって……。


 え? 護衛も付けずお見合いってどういう事かって? そもそもお見合いに護衛が入れないんじゃ……あれ? ディアナもめちゃ怒ってる??


 あれ? リサはどうしてずっと○○を見る目で僕を見ているんだ……??



 ――――「でも、僕、フラれたよ?」



 その一言で、皆が怒らなくなった。


 あれ?? 皆どうしたんだろう?




 ◇




 それから年月が過ぎ、十五回目のアカバネ祭も終わり、二回目の学園祭が開かれた。


 僕は何処にも所属していなかったけど、前回大好評だった『託児所』を学園側からリサにお願いされたようで、僕も参加しないかと誘われて、『託児所』で子ども達と遊んでいた。


 中には獣人族の子どもも多くて、一緒に参加したディアナが非常に人気だった。


 セシリアさん発案だという遊具も沢山置いてあって、子ども達の無邪気に遊んでる姿にとても癒された。



 中には乳児に近い子もいて、僕とリサが一緒に面倒を見ていると、子ども達からお父さんお母さんみたいってからかわれた。


 僕の腕の中でスヤスヤと寝ている小さな命がまた愛おしくて、僕もずっとニヤニヤしてしまった。


 ――「くろにぃ、にやけ顔が怪しいよ!?」と言われた。


 失礼な! 僕は怪しい事なんて、何も思ってないよ! この子、可愛いから、このまま――――。




 ◇




 学園祭も終わり、学園もまた通常通りに戻った。


 既に年の半分が過ぎていて、後半戦が始まる感じだ。



 そんな時、ライお兄ちゃんからレオナさんと稽古をして見ないかと誘われた。


 ライお兄ちゃん達はわざわざ、島まで来てくれた。


 まあ、いつもの『次元扉』で簡単に来れるんだけどね~。



 意外と、お父さん、お母さん、ライお兄ちゃんに、デイお兄ちゃん、セレナお姉ちゃん、セシリアさん、リサ、ディアナ、アグネスお姉さん、ミリヤお姉さん、サリアお姉さんも来ていた。


 あれ? 皆集まってる!?


 どうやら、ライお兄ちゃんから誘われたらしい。


 え~ただの稽古なのに??




「では、クロウくん、本日は宜しくね」


「こちらこそ、よろしくお願いします! レオナさん」


 レオナさんと握手を交わして、僕達は訓練所で対峙した。


 見た感じだと、あまり強そうには見えないけど……。


 以前、ライお兄ちゃんがボコボコにされたと言うのが信じられないくらいだ。



「では、両者、準備」



 ライお兄ちゃんの号令に僕とレオナさんが身構えた。


 う~ん、どうしよう? 『雷属性魔法』は使うなって言われているし……闇の手にしようかな?



「――――始め!!」



 すぐに飛んでくると思いきや、レオナさんは全く動かなかった。


 ――が、その目はしっかりと僕を捉えていた。


 何だろう? この感じ、に睨まれている感じだった。



 ――――そして、


「発動、抑制・・の魔眼」


 言葉と共に、レオナさんの左目が赤い十字の模様と共に光り輝いた。



 ――――ッ!?



 身体が物凄く重い?


 いや、全く動けない?



 - スキル『魔眼耐性』『対魔眼封じ』を獲得しました。-



 ――!?


 新しいスキルを獲得した。


 スキルを獲得すると、身体が再度軽くなった。



「嘘!? 私の魔眼が掛かったのに、自力で解いた!?」


 レオナさんが物凄く驚いた。


 その言葉を聞いたライお兄ちゃんはすぐに稽古中止を宣言した。


 成程、ライお兄ちゃんがけた理由って、こういう理由だったのね。




「レオナ、お疲れ様」


「えっ、あ、ありがとう。まさか……魔眼を自力で解除出来る人がいるなんて……初めてだわ」


「ふふっ、だから言っただろう? うちの弟は世界一凄いんだって」


「ええ、本当に凄いわね」




 それからライお兄ちゃんとレオナさんから説明があった。


 どうやらレオナさんの職能は下級職能の『剣士』のようだけど、古くから伝わるティドベッド家の伝承で、『魔眼』を持って生まれる子供がいるそうだ。


 ここ数百年いなかったが、漸く『魔眼』を持って生まれたのが、レオナさんだったそうだ。


 元々、『魔眼』は、どんな相手でも効く力だという。


 僕が一瞬で動けるようになったのは、レオナさん家系でも一度も確認されなかった事らしい。


 実は『魔眼耐性』なんて新しいスキルを獲得したからなんだけど……。



 ライお兄ちゃんから「初めてクロウくんに勝てるかも知れないから皆見に来てよ」と言われたらしくて、それを知ったときには、初めてライお兄ちゃんに怒った。


 更に、みんなも楽しみにしていたそうだ。


 ううっ……僕の味方はいないのか!?














 名前 クロウティア・エクシア

 年齢 13歳(男)

 種族 人族(神々の楽園アヴァロン>の加護)

 職能 アザトース

 レベル 60

 HP 400×10=4000

 MP 800×50=40000

 力 600×10=6000+30000

 素早さ 600×10=6000+30000

 器用さ 600×10=6000+30000

 耐性 600×50=30000+30000

 魔力 600×300+5000=185000+30000

 精神 600×300=180000+30000


 [従魔] 『アルティメットスライム』ソフィア,『ガーディアン』ヘレナ,『アクアドラゴン』リヴァ


 [レジェンドスキル] 叡智ノ神 ,全能ノ神,異次元空間魔法,精霊眼,神獣の加護,奇跡の大地

 [魔法系統スキル] 全属性魔法,中級回復魔法,転移魔法,影封印,飛行魔法

 [スキル] 神言能力,痛覚無効,睡眠無効,言語能力,魔法超強化,多重魔法発動,魔法調整,魔法無限固定,魔力高速回復,魔力超上昇,魔法高速演算,MP消費超軽減,超手加減,自動収集,自動魔法,魔眼耐性,対魔眼封じ

 [技] MPドレイン,神々の楽園アヴァロン,エリクサー,ソーマ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る