第3話 MP
転生してから、身体が赤ちゃんだったのでやれる事がない。
今日もMP枯渇状態を繰り返し、MPを増やす事に勤しむ。
時には家族やメイドさんがいるので、そんな時は魔法は使わず、誰もいなくなったとき素早く魔法を唱える日々だ。
それで毎日MP3ポイント上げることが出来た。
ただ、それを繰り返してから一週間目で壁にぶつかってしまった。
それはMPが増えてしまい、MP枯渇状態にするのに時間がかかる事だ。
俺の両親はどうやら貴族のようで、常にメイドさんが世話してくれている。
メイドさんが少し席を外した瞬間に『ヒール』を使ってMPを使うが、今ではMPが60になり、瞬時に使い切るのが難しくなった。
- スキル『魔法強化』レベル1を獲得しました。-
また《天の声》さんからスキル獲得を知らせる声が聞こえる。
『魔法強化』とは?
『魔法強化』
魔法使用時、通常よりMPを使用し、効果を増大させる。(最大10倍)
レベルに応じて下級、中級、上級、最上級が強化出来る。(最大レベル4)
なんと! とてもありがたい。増大させられる量は最大10倍まで出来るそうだ。
つまり、もはやメイドさんが近くにいても、瞬時にMPを枯渇させることが出来るだろうね。
なので、さくっとMP枯渇状態にしてみた。
- スキル『睡眠耐性』レベル1を獲得しました。-
《天の声》さんの声が聞こえてすぐに眠った。
どうやら何度も眠らされたので耐性を獲得したのかも知れない。
◇
◆エクシア家のとあるメイド◆
私の名はリーナ。平民なので苗字はありません。
今は多大なるご恩があるエクシア家でメイドをやっております。
あれは四年前の事です。
私達の村は流行り病を患ってしまいました。
村は田舎で貧困な村のため、流行り病にかかった時は全員が死を覚悟しました。
ですが、その時でした。
エクシア家当主様と奥様のフローラ・エクシア様が村にいらしてくださったのです。
実はフローラ様は王国内でも屈指の回復魔法の使い手なのです。
ですが、辺境伯様の奥様で身分も高く、とても奥様に回復魔法をお願い出来る程の財産がある訳もありませんでした。
「さぁ! 村人達よ! 全員集まってくれ! これから病気を治してあげよう!」
エクシア家当主様から直々ここまで来て、そう仰ったときには、奇跡が起きたかと思いました。
そして数時間、奥様の懸命な魔法のおかげで村人は全員回復出来ました。
ですが…………奥様はその後、MP枯渇状態に陥り、とても苦しまれました。
MP枯渇状態がどれ程恐ろしいか…………この世に知らない者はいないでしょう。
誰もが必ず一度や二度やってしまいます。
かくいう私も経験がございます。
あれはまさに地獄でした…………死んだ方がマシとまで思いました。
そんな奥様は私達村人のため、癒しの魔法を限界まで使ってくださいました。
村で何とか御恩を返そうとしましたが、エクシア家当主様は「自領の村を守るのも貴族の仕事だ。君達が助けられたのなら、それで良いのだ」と仰ってくださいました。
その後、村では何とか御恩を返せないかと話し合いになりました。
「私がエクシア家に相応しいメイドになって勤めて来ます!」
私はエクシア家の中心街のエドイルラ街にやってきて、必死にメイドの仕事を学びました。
実はエクシア家の方針で、才能ある人を育てるために学び舎は無料で開放されているので、私はその奉仕部門で必死に学びました。
その甲斐あって、無事一年でエクシア家の下メイドに入れるようになりました。
そこから三年、恩返しのつもりで懸命に仕事をこなすうちに、上メイドにもなれました。
そして今年、エクシア家に三男坊様が産まれました。
これからこの命を懸けてお守り、お世話していくと決意しました。
しかし、私の覚悟をよそに、坊ちゃまは一度も泣きません。
なんと生まれる瞬間ですら産声をあげませんでした。
産まれて三か月が経つも、未だ声一つも上げない坊ちゃまです。
屋敷内ではその噂が流れ、恐らく声が出せないんじゃないかと噂されています。
それならば、一層私が守らなければなりません。
これからも命懸けでお世話致します。
屋敷内では良くない噂も流れていますが、それでも私のやることは変わりません。
坊ちゃまを守り抜きます。
名前 クロウティア・エクシア
年齢 0歳
性別 男
種族 人族(幼)
職能 未開花
レベル 1
HP 3/3
MP 0/61
力 10×0.1=1
速 10×0.1=1
器用さ 10×0.1=1
耐 10×0.1=1
魔力 10×0.1=1
精神 10×0.1=1
『レジェンドスキル』
#&$% 、#!$&
『魔法系統スキル』
下級回復魔法
『スキル』
痛覚軽減レベル10、感情無効(呪)、言語変換(聞)、魔法強化レベル1、睡眠耐性レベル1
『技』なし
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