〜これは性格か人格障害か〜

第1話 わたしの中の私たち 芹奈

SMに興味を持ちだしたのは

22歳の社会人なりたての頃

仕事のストレスで男に逃げていた頃

なんとなくみたSM漫画に

興味をそそられていった

今わたし涼子は家庭を持ちながら

出会い系で男性と出会いSMプレイをしている

副業というものか

一回2万という安いのか高いのかよく分からないお金を稼いでいる

昼間はスーパーのレジ打ちをしている

旦那と仲は良好

家庭は裕福ではないが子供がいない為

何とか上手くやっている

SMはパートが休みの週2日

スーパーの顔は涼子

SMの顔は芹奈

涼子でありながら芹奈でもある

はたまた認めたくはないが

男の気持ちもよく分かる男の人格も持ち合わせる

わたしはそう多重人格である

「あっあんあっあ」

芹奈は声出すのが得意だ

「ねえもっとお仕置きして」

「芹奈ちゃん可愛いよ」

男は芹奈のお尻をビシバシと叩く

「はいこれ、二万でよかったかな？」

「ありがとう、またお仕置きしてね」

「もう会うのは一回きりだよ」

「どうして、よくなかったかな？」

「普通かな、僕も家庭があるからさ、」

「そう。楽しかったありがと」

芹奈は思ってもいない言葉を口に出す

（エセS男だった、自分の都合のいい腰の振り方、相手を思いやる気持ちがなかった）

芹奈は男で感じた事が無かった

芹奈も涼子も…

ただ気持ち良いと嘘をつき

高い声を出し感じているふりをする

でもこれが男には評判が良かった

男はやれれば良いのである

女は感じているふりをすれば良いのである

芹奈はそんな冷めた考えの女である