マネージャー
夏目碧央
第1話 甲子園に行けずに終わった2年の夏
「カッセーカッセー東尾!」
ポンポンポン、ポンポンポン。
メガフォンを手に、スタンドで精一杯応援した。2年の夏。
-いつか僕もベンチ入りしたい-
そんな思いを胸に秘め、グランドやベンチにいる、2、3年生の部員を、本当は羨ましく思いながら。
東東京大会、準決勝。9回表、ピンチを迎えていた。3年のピッチャー田村さんの投球が乱れ、フォワボールが続いた。
ベンチから控え投手が呼ばれる。2年の戸田遼悠(とだ りょうゆう)。グラウンドの端でウォーミングアップを始めた。
戸田・・・学校では同じクラスだけど、口を利いたことがない。僕の名前、知っているだろうか。
アップをしていた戸田だが、結局出番がないまま、試合は終了してしまった。
ウ~~
サイレンが鳴る。
「お前らぁ、来年こそは甲子園に行けよぉ。」
スタンドで一緒に応援していた3年生が、僕らの肩に手を置き、涙を流しながらそう言った。
「はい、絶対行きます!」
僕はもらい泣きしながら、力強く答えた。まずはベンチ入りしてから、だけど。
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