第3話 王室
ルビアとともに王宮に入る。大勢の執事とメイドが
「おかえりなさいませ。お嬢様」
「うん!」
すると俺も顔を知っている執事---ルート・エリックは困ったような顔で
「また王宮を出られましたね...。何度言ったらいいのですか...。今回で最後にしてください」
「う~ん? それは約束しがたいかな?」
「それでなぜノア様がこちらに?」
「私がお父様とお母様に話があるの。その内容がノアに関することだからだよ~」
「左様でございますか。ですが面会の許可が下りていない人物を国王や王妃に会わせるわけにはいきません」
まあそうだよな。いくら俺の一家が王族に仕えてきたからってルールはルールだしな...。逆にすぐ会える方がやばいかもな。
「ケチ! でも今回の件は必要事項だから止めてもだめだよ」
「そう言われましても決まりは決まりですので...」
「ルビア。ちゃんと段階を踏んで会うよ」
俺のせいでルートさんが困ってる...。これ以上仕事を増やすわけにはいかない。俺も一応はこの国に仕えるように訓練された身。執事がどれだけ苦労をしているか知っている。だからこそ申し訳ない気持ちになる。
「ノア! ここで引いてどうするの!」
「それでも...」
すると新人らしきメイドたちが小さな声で
「なんであの人はルビア様にため口で話しているの?」
「わからない...。でもルート様が名前を知っているってことは何かしら知り合いなんじゃないかな?」
「そうだよね...」
はたから見たら王女にため口で話しているって不敬罪にあたるかもしれないもんな。やっぱり敬語の方がいいのかな?
「ねえ。もしノアが敬語になったらどうするの? あなたたちの責任だよ?」
ルビアが威圧を放ちながらメイドたちに言う。
(いや、間違ってないから!)
「ルビア。俺は国王や王妃に言われない限りため口で話すよ。だからそんなに怒るなって」
「うん...」
ふー。俺のせいでメイドたちがクビにでもなったら可哀想だし、俺も嫌だ。
「じゃあ一旦帰るよ」
「え? 待ってよ!」
ルビアに止められそうになった時王妃が出てきた。俺は頭をさげ膝をつく。
「ルビアおかえりなさい。それにノアくんじゃない! 久しぶりね」
「アイラ様。お久しぶりです」
「久しぶりね~。前みたいに楽にしてくれていいのよ?」
「わかりました」
頭をあげてアイラ様の顔を見る。やっぱり美人だ。人妻なのに20代にしか見えない。ルビアもアイラ様の血を受け継いでいる。だから一言で表すと金髪碧眼美女。どちらも巨乳で色気もある。
(待て待て。王族になんてことを考えているんだ!)
頭を振って雑念をなくす。するとアイラ様は笑いながら
「それでノアくんはなんでいるの?」
「ママとパパにノアについて話があって呼んだんだけど、ルートが面会の手続きをしてないから会っちゃいけないって言って...。ダメかな?」
ルートの顔が少しずつ青くなっていくのが分かる。
「いいわよ。かわいい娘のためだもの」
「やった! ほら! ルート大丈夫だったでしょ!」
「申し訳ございませんでした」
「じゃあノア行こっか」
「あぁ。後ルートさんは仕事をしたまでだから怒るのは違うぞ?」
そう。ルートさんは仕事をしただけ。それなのにこんな仕打ち可哀想じゃないか...。
「うん...。ルートごめんなさい」
「私の方こそ申し訳ございませんでした。行ってらっしゃいませ」
お互いが仲直りをしたようなのでアイラ様とルビア、俺は王室に向かう。その時ルートさんが耳元で
「ありがとうございます」
「いえ。こちらこそすみません。今後もよろしくお願いします」
「はい」
「ノア! 早く早く!」
「あぁ」
急いでルビアのもとに行き、王室王宮に入った。
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