『火の島』 🌋 下の下の下
やましん(テンパー)
第1話 『ごきらららん』
ごきらららんは、そのおぞましい爆弾の本体を見たのです。
まさに、むしずが走るような、不気味な色をしているらしいが、暗がりゆえに、はっきりはしないです。
『起爆装置を止めねばならないごき。』
その場所は、すぐに判りました。
宇宙ゴキは、自分たちが爆弾の解除をしなければならない事態を想定するので、意外に場所は、見つけやすいのです。
『っむう。これは、見たことないタイプごきね。あまり、好きなタイプじゃないごき。』
ごきらららんは、その『箱』をじっくりと眺めました。
あせってはならないが、急がねばならないです。
表示板は、今は、ただ、『○○○○○○』と表示しています。
『まだ、動かしてないのかなごき。ラッキーーーーごきな。』
彼女は、自慢の測定器を取り出しました。
こいつは、あらゆる爆弾の起爆装置のデータが記憶されており、機械の中を透過して探ることができる、小型非破壊検査器具みたいなものなのだ。
しかも、自分で考えて、新しいシステムに出会っても、正しい答えを導き出すのです。
100%とは、言えない。
しくじったケースも、実はあります。
しかし、結局最後は、勘である。
ごきらららんの、鋭い勘が、いくつもの危機を乗り越させてきたのですから。
『よし、ふんふん。配線が、すべて内部に収納されていて、この蓋を取らないとだめごきだが、振動が起ると、危ないごきなあ。異常振動関知装置がある。しかし、地震とかには反応しないだろう。つまり自然の揺れとごき工的な揺れを判断するごきららら。ゆっくり、慎重に外そう。ふんふん。このぽっちが、そうかな。なまごみだあ~~!』
ごきらららんは、起爆装置の蓋を止めてると思われる、ぽっちを押しました。
すると、起爆装置の蓋は、すとん、と、自分から外れたのです。
『なんとまあ、いさぎよいごき。』
その内部は、やたら複雑怪奇でありました。
『多くは、イルミネーションごきな。』
その時でありました。
突如、その機械は声を上げたのです。
『ごごごききききな~~~~ごきごき、カウント、カイシ。』
すると、先ほどのカウンターに数字が入った!
宇宙ゴキ数でありまする。
知識がないと、意味は分からないが、そこはごきらららんは、プロです。
『くそごき。始まったゴキ。なななな、300秒ごき。厳しいなあ。チャンスは一回。まてまて、イルミネーションをまず消さなくては。不要回路の電源はどこかなごきな。・・・・・・・』
ごきらららんは、慎重に回路を検索しました。
『よし、これが、そうだごき。切りますごき。よ!』
ぷつ。
『はずれー!ごきごき。』
起爆装置が叫んだのです。
『くそごき。ごきをバカにしてるごき。なんでだ。間違いないはず。予備通路があるか。ううごき。落ち着け落ち着けごきごき。』
カウンターの数位は、どんどん少なくなる。
『よし、これだ。切るごき。』
ぷち
『あたり~!! どんどん! ごきごきごき!』
起爆装置の、見るからに怪しいイルミは消えたのです。
『残りの回路が本物ごき。あらあごき。これには、接触検知が付いてる。触るとどかんごき。ふうん・・・危ない危ない・・・・これは、フェイクごき。こいつを切ると、爆発ごきな。まてまて、・・・・・』
***************
『さあ、行きます、くま。やはりあなたがたも逃げまくま。死んで花見ができまくま。』
みためくまさんの父親が言いました。
『お前たち、やはり、洞窟に避難しろゴキ。』
『ごきき? 副長は、ごきな?』
『自分は、ここにいるゴキ。ごきらららんだけを残せない。いいか、残り全員、洞窟に入れ。命令する。』
『しかしごき・・・ふう・・・わかったごき。』
『よしごき。まあ、気にするな、上手くゆくゴキさ。』
『はい。』
地球ゴキの兵士たちは、副官を残して、避難場所に向かったのです。
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火口から降りるのは、なかなかスリル満点でした。
噴火は、だんだん激しくなっているようです。
巨人が投げおろした岩よりも、もっと、大きいのが飛んできます。
もしかしたら、宇宙ごきの爆弾とかより、こっちの方が危ないかも。
『もう、一気に飛んだほうが、早そうにゃんこ。ほら、焼き鳥おじさんが見えてるにゃん。飛ぶにゃん。』
ねこママは、崖からダイブしました。
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しかし、火山から噴出した『ふにゃふにゃガス』が、確実に大気の流れに乗って、惑星を覆い始めていたのです。
大陸と大陸の間には、いくつかの宇宙ゴキ要塞基地がありました。
『た、タイチョウごきごき。なんだか、体調がへんごきごき。』
駐留していた、宇宙ゴキ兵士は、身体の力が、いっぺんに、抜けて行くような感じになったのです。
『むむ。本官も、おかしい。ふにゃふにゃごきごき‥・・・』
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つづく!
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