拝読致しました。
人倫、という単語で「……」が付いてしまう、戦国の世の中。
生き馬の目を抜くこの世界では、人倫と言う思想など落雁に黒蜜を垂らして食べるくらいに甘いのかも知れませんが、元就には響くのではないかと思いました。
そういう感性があるから娘の死を利用していると後ろ指さされる可能性を嫌悪する。
そこの気持ちの整理を調えてしまえば、あたかもちょっとコンビニでおやつ買ってくるわ、程度のノリで「高橋を盗る」という。
のかなあ、と感じました。
その時代の人の気持ちを推し量りながら読むのも歴史小説の楽しみ方のひとつ(^^)
ありがとうございました。
作者からの返信
大内義隆は京文化が大好きで、平時においては名うての文化人として名を残したと思います。
そこら辺からの空想で、人倫にウェイトを置いている、という設定を思いつきました。
そういうことを言って来る御曹司・大内義隆が、梟雄・毛利元就に好意を抱くというパラドックスが面白いな、と思いまして^^;
おっしゃるとおり、元就は謀略家ですけど、「家族を大事にしろ」とかそういうことを言って来る、口うるさいじいさんになるので、やっぱり娘が死んでしまったのは響いていると思います。
一方で、高橋家を調略するのは易いことと認識しているっぽいのが怖い^^;
推し量りながら読む……そういう風に読んでいただけて、書き手冥利に尽きます。
ありがとうございました。
こんにちは、御作を読みました。
父ちゃん死んでるから、大内さんとしても尼子を塞ぐ盾は欲しいし、元就さんも背後を気にしては戦えないものね。
大内さんと陶さんもしたたかで、そして元就さんも負けてない……。
ギリギリのせめぎ合いで同盟が成立したという描写が恐ろしくも素晴らしかったです。
面白かったです!
作者からの返信
大内義興さんは何だかんだ言って管領代にまで成り上がった天下人ですからね……。
義興さんを支えた陶興房も老将であり、先がない。
と、来れば……やはり謀神を味方にしておくのがベストだったんでしょうね。
義興の死を契機として、逆にそれを古い恨みを捨てる契機、と思わせる大内サイドの戦略の勝利でしょう。
ただ、それを尼子のジッチャンが指をくわえて見ているわけもなく……^^;
ありがとうございました。