幕間 独白

 ──これは、どうしようもない事実。

 ──どうしようもなく、わかりきっていること。

 ──これが、この歪な世界のことわり

 キミが生きている限り。

 そう、キミが死ぬまで。

 ……未来あしたは、来ない。


 誰の耳にも届かないであろう、小さな声でそう呟いた。

 案の定、『何か言った?』とでも言いたげな反応が返ってくる。

「……なんでもない」

 うまく取り繕うことができていただろうか。

 うまく笑えていただろうか。

 そんなことを頭の片隅で気にかけながら、静かに祈る。


 ……それでも。

 それでも、どうか──……。

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