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 時折ある。男性しかいない社会だったり、女性しかいない社会で思春期によくある、ふとした気の迷い、魔が差すって奴だろう。

 俺はもう琉を許している。奴もどうかしていただけだ。それにこれ以上ないほど謝ってきた。

 それで俺たちの仲は元通りだ。

 

 子供の頃はもっとおしゃべりだった気がする琉が、大人になって更に、そのことがあってから寡黙になったような気がした。

 

 俺はいつものように過ごすことで、琉に変に意識はされたくないと思った。


 ある意味ほぼアルファだけがいて、毎日寮と学校の往復の生活をしていれば、誰だってそんな不思議な気の迷いをするものだ。

 気にしなければいい話だ。それよりも誰よりもお互いに理解のある大親友だ。その友情は変わることはない。

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