僕のヒーロー

僕のヒーローは頭の中だけに存在する僕だけのヒーローだ


真っ赤なスーツと真っ赤なフルフェイスヘルメット


トレードマークはヘルメットに付いている大きな一本角でお店に入るときはいつも苦労している


ヒーローは強い

どんな敵でも涼しい顔で倒してしまう


ヒーローは明るい

太陽のように明るい性格は周りのみんなを元気にするさらにモテモテだ


ヒーローは優しい

敵を倒すだけでなく、困っている人を助けまくるのだ


欠点なんてどこにもない完璧なヒーロー


俺にはないものを全て持っているヒーロー


ヒーローは俺の理想像であり、一生たどり着けないあるべき姿だった


俺は嫉妬した


頭の中にいるからどうにでも設定を書き換えられる


そこら辺にいるチンピラにも負けるヒーロー


一言も喋らない暗くて陰気なヒーロー


誰一人助けられないヒーロー


それでいい、現実的だ


都合がよすぎたんだ


この平和な現代社会にあからさまなヒーローなんていないし必要ない


だからそんなヒーローが頭の中にいてもしょうがないだろ


けれどヒーローはそれでもヒーローであり続けた。


負ける戦いにそれでも挑み、


一人でも多くのひとを助けようとする


一言も喋らなくて、誰からも理解されなくてもヒーローであろうとした


いつまでも俺にとっての理想像で


いつまでも僕のヒーロー


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