〈担任玉川仁志（たまがわひとし）先生の話〉

　四時間目終了のチャイムがなる前に、やるべきことが全て済んでしまいました。えっと……、あと十分ぐらいありますね。では僕から皆さんに話をしたいと思います。

　一学期を振り返ってみてどうでしたか？この学期は、沢山の良い思い出が出来たと思います。

　五月には修学旅行がありましたね。みんなで飛行機に乗って、沖縄に行きました。水族館のジンベイザメは本当に大きく、みんな大興奮していましたね。平和についてもしっかり、真剣に学んでいて、とても偉かったです。

　また、六月初めには体育祭がありました。うちのクラスは学年対抗の八の字、代表リレー、全員リレーで素晴らしい成績を収め、最優秀賞を受賞しましたね。最後、記念撮影を終えた後にみんなに僕は、胴上げされて、高校生時代野球部キャプテンをしていた時に、試合に勝った際、仲間達から胴上げをされたことを思い出し、つい涙が出てしまいました。確か、泣いていた僕を山田くんと佐藤くんは爆笑しながら見ていましたね。ちょっとひどいですよ。

　しかし、みんな、一学期は担任の僕から見ればとても頑張っていたと思います。よく他の先生から「玉川先生のクラスの子達は本当に真面目ですね」と、よく言われました。実際、成績が良かった人は多かったはずです。これからもそれを続けていって欲しいですね。

　……みんなかなり顔が沈んでいますね。僕の話がつまらない、いや、そんなわけじゃなさそうですね……。やっぱり、どうしても頭には浮かんでしまいますよね。浮かばない方がおかしいのでしょうね。はい……。みんな、辛いことは思い出したくないけど、この話はした方が良いですね。

　今から町田さんの話をします。