高宮的創作エッセイ集

高宮零司

第1話 推しのネット小説家を即落ち昇天させる方法~書き手視線で考えてみた~

◆はじめに「注・この文章はどちらかと言えば読み手向けです」


ネット小説家は「褒め」に飢えている。


読者にはなかなか理解されないのだが。


ただ一言のコメントでエタり(※注参照)かけていた物語が息を吹き返し、続きが投稿されることがある。


(注・エタる…創作用語。続きを書く気力が無くなり放置されてしまうこと)


それほどに読者の応援は力を持っているとも言える。


承認欲求は誰しも持っているものだが、ネット小説家は特にその傾向が強い。


小説を書くというのは、基本的に一人で取り組む孤独な作業だからだ。


そして、よほど面白い作品でもないと、ネット小説家デビューしたての新人さんに評価やコメントが来ることはあまりない。苦労して書いた作品が1カ月間評価ゼロなんてざらだろう。


だからこそ、ただ一言のコメント…「面白かったです」が金塊に等しい価値を持つとも言えるだろう。


◆読者の持つ力……「コメントのすすめ」


ネット小説における読者の力はそれだけスゴイのだが、なかなか「読み専」(ネット小説作品を読むだけで、小説を投稿しない人)には理解されていない気もする。


という訳で、せっかくネット小説で少しでも気に入った作品があったなら、ぜひコメントやレビューをしてほしい。


基本、ネット小説の投稿サイトには「カクヨム」で言えば、「星(☆ポイント評価)」機能と「レビュー機能」がある。


他のサイトも、だいたいのシステムは似たり寄ったりだ(もちろんサイト独自の機能もあるが)。


一番お手軽なのが、ポイント評価。これは☆やポイントなどをクリック入力するだけなのでお手軽。


次にレビュー。これは「まだその作品を読んでいない他の人への推薦文」だ。


「この作品はここが面白いから、読んでない人は読もうぜ!面白いよ」


程度の短い文章で構わない。


よく「レビューは何書いていいか分からない」というお悩みも聞くが、まずは小学生の読書感想文並みで良い。


「すごく面白かったです」、「ヒロインの○○すごくかわいい」。


これくらいの文章でも、たいていのネット小説家は悪い気はしないものだ。


他にもカクヨムなら「応援コメント」という機能もある。これは長編作品の各話数ごとにコメントを入れられる機能。


「更新してくれてありがとう」、の一言だけで労が報われるのがネット小説家である。


◆投げ銭ー最強の応援ツール


さて、評価やコメントの力が分かったところで。


それよりも破壊力のある応援ツールがある。


それは「投げ銭」である。


投げ銭機能を持っているネット小説サイトは少ないのが残念だが(カクヨムには残念ながら未実装。ぜひ早期の機能実装をお願いしたい)。


投げ銭は無言で投げられても、作者のモチベーションを驚異的に跳ね上げる魔法のカードだ。


なぜなら「貴方の作品にはお金を払う価値がある」という強烈なメッセージになるからだ。


畢竟、ネット小説家の大半は「いずれは書籍化して印税生活!」を夢見て書き続ける人たちだ。


誤解を恐れずに書けば「(いずれは得るかもしれない)お金のために書いている」のだから。


可能な環境があればぜひ、この効果絶大なツールをためしてみてほしい。


(ちなみにTwitterが投げ銭=収益化プログラムを開始したそうだ)


「まずは無料で読める」のがネット小説のいいところではあるが、課金する投げ銭文化を構築したいと筆者は思っている。


無料の感想、応援だけで書き続けられる人はそんなに多くない。


まさに文化として成り立たないと思う。


同人誌文化が古(いにしえ)よりここまで続いて来たのも、お金のやり取りあってこそ(無料配布は例外的存在)。


それ以上に、心底気に入って読んでるものを、ずっと無料で済ませるのって、何というか「粋」じゃない。


もちろん、金額は各自のお小遣い事情に合わせてで良いのだが。


100円程度の小銭も出せないというのは、はっきり言って野暮だ。


◆最後に


以上は書き手側から見た「読者の力」の生かし方についての考察である。


ネット小説を読むときに、頭の片隅にでも置いて頂ければ幸甚である。

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