掌編小説・『漫画』

夢美瑠瑠

掌編小説・『漫画』

(これは、2019年の「漫画の日」にアメブロに投稿したものです)




                                掌編小説・『漫画』



 おれは漫画家で、活字媒体というものを憎んでいる。

 漫画はイメージ豊かで、人間的なぬくもりみたいなものも表現できるが、一次元の活字というのはなんだか非人間的で、冷酷で、無味乾燥で、愛想のかけらもない。


 読むのが大変な割に、内容が空疎な文章というのも多い。

 漫画には確固たる才能が必要だが、文章はかなりの馬鹿でも綴れそうな気がする。

 漫画の読者は、精神が柔軟で、若々しくて、明朗闊達な人物が多いが、活字を崇めているのは干乾びた老人のような輩ばかりである。


 おれは特に新聞というのが嫌いだ。尤もらしい体裁で、自分ほどえらいものはない、と思っているみたいな嫌な奴ばかりが分かりにくい晦渋な文章を書いている。

 こういうやつらに漫画を描かせてみたら、きっと小学生並みの表現力しかないような画が並ぶことだろう。


 漫画を描けるのが本当の才能ある人物で、新聞記事とかを書いているのはきっと学校で習った字だけをどうにか並べられる馬鹿ばかりに違いない。

 

 腐った魚のような作文を書きならべるのはいい加減にしろ。

 

 活字が’ライフプリント’なのは抹殺されているみたいだが、本当におれは活字とかだけの作文とかはライフプリントでなくて、デッドプリントだと思うのだ。


お前らの言いたいことを書いてやったぞw



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