第46話 野犬が如く
「It's showtime」
突如現れた最高幹部がブレードを構える。
「悪いけどショーは終わりよ」
「始まってもないのにか?」
「予定外だもの」
「ほう…ならどうする」
「こうするわ」
シズは能力を使い目の前に巨大な氷の壁を作った。
「逃げるよ!」
「「了解!!」」
氷の壁を使い逃げる事にした。
「予想外すぎる!まさか最高幹部が二人も…」
「しかもさっきの奴は最高幹部の中でも二番目に強いとされる『ドレッジ』…二人は分が悪すぎる」
最大出力でエアーブースターを射出して飛行していたが…
『まずいぞ!さっき降ってきた未確認機体が高速で接近中!』
「嘘でしょ!?」
「時速400kmよ!?」
『距離400m!』
「くっ!」
「…」
シズはエアーブースターの出力を弱め速度を落とした。
「「シズ(君 ちゃん)!?」」
「タスクさんたちは撤退を!私が足止めをします!」
「馬鹿を言うんじゃない!」
「そうよ!無理よ!シズちゃん!」
「早く行って!」
『シズ!何をしている!敵はもう目の前だ!』
二機の最高幹部機体がシズの前に現れた。
「……………」
シズは深く深呼吸をした。
「シズちゃん!」
暁は叫んだ。
「シズ君!!」
タスクは手を伸ばした。
「ああああああああ!!! 」
シズは雄叫びを上げた。
「ほう……たった一人で足止めを…」
「そりゃあ結構なこった」
ブレードを二刀流にして襲いかかるが、3人でやっとな強敵を2人も、しかも1人では無謀である。
「シズちゃん! 」
暁が引き返そうとするがタスクが引き止める。
「タスクさん! 」
「シズ君が繋いでくれた時間だ! それを無駄にするわけにはいかない! 」
『早く撤退しろ! 』
暁とタスクは全速力で撤退していった。
「おっと2人に逃げられてしまったな」
「まぁ、あの2人なら問題ない……こっちは終わったしな」
ダガーとドレッジの足元には動かなくなったシズの姿があった。
「さて、追うとするか」
「させ……ない……」
背後からかすれ声ではあるが聞こえてくる声があった。
「おいおい、マジか! 」
「やめとけ、機体はボロボロそのまま寝てれば助かる」
「まだ……終わって……ない……っ!」
シズはボロボロの機体で2人に足を引きずりながら歩み寄る。
「……しょうがない……殺るしかないか……」
「俺は手を出さんぞ」
ダガーはシズの相手をドレッジに任せた。
「安心しろ苦痛なく殺してやる」
「はぁ……ぁぁ……」
ブレードを抜きシズに歩み寄る。
だが……
『機体コード フレア アサルトモード始動』
「何の声だ?」
「わからん」
すると突然ドレッジの首元にブレードが……
「っ!?」
ドレッジは間一髪避け、後退した。
「何だ……その動きは!?」
シズの姿勢は明らかに不自然だった。
シズの体は仰け反っていたが腕だけがドレッジの方向へ向いていた。
「まずいな、加勢する」
「ああ、頼む」
「………」
まるで何かに操られているかのような動きでダガーに襲いかかった。
「早い!!」
受け止めるが、パワーで押し込まれる。
「重!……すぎる!」
「させるかよ!」
ドレッジが横蹴りを入れてシズを吹き飛ばす。
「畜生、バケモノかよ!」
「うめき声一つの上げやしねぇ」
「ドレッジ、『奴』に連絡を頼む」
「了解」
「奴が来るまで持ちこたえるぞ!」
「おう!」
「殺……『す』」
シズの機体『フレア』からは赤い眼光が出ていた。
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