第30話 特殊部隊

最高幹部?との戦闘から5日後。


「…………眠い」


目にくまを作ったローズが食堂に現れた。


食堂にはうどんを啜っているカイザーとつくねと酒を朝から飲んでいる九郎が居た。


九郎の今の身体は


「お、ローズどうした?」


「寝不足になった」


「シズと夜な夜なファイト一発すればそうなるわな」


九郎のデリカシーの欠片もない一言がローズを襲う。


「してねぇよ!しかもシズは遠征中だぞ!」


「そうだったな」


「九郎さんはデリカシーが無いですね」


「そう言うなよ、気になっただけだ」


「というかじいちゃん朝から酒って…」


「ん?久々に身体を手に入れたからな」


「「………いつの間に?」」


「この間ダメ元でクローン技術を用いたホムンクルスを作ってみたら、俺専用の身体が出来た」


「ざっくりし過ぎでは?」


「ダメ元でできる…のか」


「まぁ、俺しか使えないしな」


「というと?」


「操魂が無いと意味を成さない」


「そ、そうっすか」


「ああ、それと俺は今日からお前の部隊を受け持つ事になった」


「へ?」


「本来ローズがこの部隊を率いるはずだったんだが、急遽九郎さんが受け持ってくれた」


カイザーが丁寧に説明してくれた。


「それは…ありがてぇ!」


「さて、これからローズは特別部隊に入ってもらう」


「特別部隊?」







訓練場


「と、言うわけでこれが特別部隊です」


ローズはカイザーに連れられて訓練場にやってきた。


「まず一人目はローズ、お前だ」


「お、おう」


「そして二人目が…」


「私ね」


「シズだ」


なんと遠征に行ってたはずのシズが眼の前に現れた。


「あれ?遠征に行ってたはず…」


「さっき帰ってきたの」


「それと三人目は」


「私よ!」


暁だった。


「暁か」


「そ」


「暁ちゃん、一緒だね!」


「うん!」


「四人目は」


「僕だね」


なんとリングに所属していたはずのタスクだった。


「「「………えぇ!?」」」


「正式に雇ってもらったんだ」


「良いんですか!?そんな急にリングを抜けて!」


「実は…司令官の汚職がわかったんだ」


「あ、やっとバレたんですか」


「ああ、君が辞めたのも納得さ」


「というと、タスクさんも同じ理由で?」


「そ」


「と、まぁこんな感じの部隊だ」


「選りすぐりの部隊だな、カイザー」


「ええ、楽しみです」


「…こちらの方は?」


タスクはローズに九郎の事を問う。


「ああ、俺のご先祖さまです」


「ご先祖さま?」


「よろしく」


「は、はぁ…よろしくお願い致します」


タスクの挨拶が終わった瞬間、九郎が手を叩いた。


「さて!今から全員に訓練をしようと思います!」


「「「「訓練?」」」」


頭を傾げる四人、そして怪しい笑みを浮かべる九郎。


「ある一定のラインを超えない限り終わることのない訓練だ」


「「「「ある一定のライン?」」」」


「まずローズは能力の強化

これはシズもだな

さてタスクと暁、二人には…」


九郎はタスクと暁の頭に手を起き。


「『能力』を身に着けてもらう」


とてつもないスパルタ強化訓練の香りがする訓練が始まった。

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