第83話 露見期③ カキゴーリ

前回【色】で倒れたのはもう覚えてないくらい前だった。この感覚久しぶりだな。

僕はぼーっとしながらも簡易ベッドから上半身を起こす。


「あっ!起きた?大丈夫??ほんとに貧血だったのかなぁ。」

横を見るとかわいい制服のショッピングモールの看護師さんが僕に気づいて話しかけてくれた。


「あ、すいません僕、気を失った的なやつですかねぇ?」


「?!お友達から、よく貧血起こすって聞いてて、起きたら普通ですから大丈夫ですって言ってたけど・・・、すごい落ち着いてるね。」


「昔からよくあるんでハハハ。ここ医務室ですか?」と言いながら立ち上がると頭がリセットされたみたいにスッキリしてた。


「なんか君、貧血じゃ無い気がするんだけど。顔色も良いし。」

なかなかやるね看護師さん!


「何なんでしょうね?」僕は知らないふりをして


「すいません!お世話になってしまって。」

と言うと


「大丈夫?1人で帰れる??」と心配され「大丈夫でーす。」と言いながら急いでドアを閉めた。




スマホを見ると1時間も、経過してて昨日楽しみで寝れなかったからついでに寝ちゃったかもと思い返して後悔しながらも竜二に電話をする事に。


「あ、竜二!もしかして助けてくれた??今、起きたけどどこいるの?」


「おぅー起きたかぁ。、おはよう。あんな感じで倒れるんだな!参考になるよ。今はさっきのコンテストが終わったから普通に医務室に向かって歩いてるぞー。もうちょい待っとけ〜。」


と言われ待つ事3分。


「カガミ君大丈夫??」ネネちゃんあら?コート脱いでる。


「ビックリしたよー」嘘つけお前は驚かんだろ!


「あ、竜二、みんな!ありがとう久々にやっちゃったよー。」と言ってネネちゃんの手元を見ると

紙袋にコートを入れてくれてて、


「ネネちゃん大丈夫だよ!コート着てて!ごめんね心配かけて。注意したら全然大丈夫だから!気を抜いてた。」と言って着てもらった。





「美少女コンテスト見たかったなぁ〜。どんなだった?」

と聞くとネネちゃんがちょっと顔を膨らましてて

ヒカルが

「竜二が鼻の下伸ばしてたんだよ。」

と言い

「そんな事ないからっ!ヒカルこそ目を奪われてたぞ!」って必死で反論。


それに対してネネちゃんはまぁ冷めた目で見てた。僕の気持ちがわかったか!!



「どんな人が出てたの??」

と聞くとネネちゃんが

「大人の人はわかんないけど、聞いたことある子が出てたよ!隣の中学の有名人だよ!!「カキゴーリ」って言われてる美少女2人組!それがね・・・、

噂によるとデキてるらしい。」


最後の方を小さな声で教えてくれたネネちゃん。

大丈夫だよ竜二は浮気性に見えないし。


にしても【カキゴーリ】か。たぶん柿崎さんと剛力さんだな。



「へぇー時代は進んだもんだねぇ。僕は女子カップル良いと思うよ。でも必然的にお付き合い出来る女子の数が減っちゃうからその一点に於いては反対する気持ちもある。」と自論を展開。



「その片方にヒカルが褒められたもんだからなぁ!ヒカルさん惚れちゃったんじゃね?」と茶化す竜二

ヒカルは照れているけど満更でもない顔をしていた。

僕は


「え?なんかあったの?」

と聞くと


「その古江ふるえさんだっけ?その子が倒れたカガミのところにやってきてで抱えて医務室まで運んでくれようとしてたんだよ。」とヒカル。


僕はありがたいなぁと思うと同時に

「!!片手で!?」ってツッコんだ。

「そうそう軽々と。」とネネちゃん。


なるほどとりあえずさんはいなくって【古江ふるえさん】だね。でも要素はあるから腕は4本あるイメージだ。



「それじゃ悪いなと思って僕が代わったんだよ。」

とヒカル。


「角を曲がるまで古江さんに対抗してでな!(笑)二人にセカンドバックみたいに持たれるカガミの姿はシュールだったぞ。」と竜二が言って


「負けず嫌いなのか、カッコいいとこ見せたかったのかお兄ちゃん本気だったよねっ!カッコいいぞ!!」


竜二とネネちゃんにイジられても冷静なヒカルは動じなかったけど、そんな事よりもヒカルにも好きな人が出来ちゃったらどうしよう!!と心配になる自分がいた。


「で、なんて褒められたの?」と聞くと


「それがさ!古江さんめっちゃヒカルの事見て興味津々で、「君、結構鍛えてるね!」って言ってたんだよ!

まぁ古江さんの方がカラダ仕上がっててんだけど。」


ネネちゃんが睨む。なぜだか僕を。竜二ネネ様の前で他の女を良かったって言うなよ!とばっちりナウ。


「あ、肉体美的にね!(焦)運動してる感じの仕上がってたって事だよね!僕はそういう肉体美より女の子は健康的な感じが好きだなぁ。確か竜二もだよね?」

届け君への助け舟メッセージ


「あ!ああ!!そうそう!筋肉ムキムキより健康的な女の子が好みだよな!ヒカルもだよな!」


「え?そう?僕は筋肉でも良いからは胸がある方が良いなぁ。ボンキュッボンが好みかも。」とネネちゃんの胸を見て言った。


そして、言い終わるやいなや、妹のローキックをくらって空気の読めない兄貴は地に沈んだのでした。

矛先が兄貴に向いて良かったね。ざまぁ。



「え、で結局、誰が優勝したの??」

「ああ、古江さんの片割れの寿ことぶきさんって子だよ。チョーかわいかった!!!」


柿崎さんじゃなくて【寿ことぶきさん】ね訂正訂正っと

じゃあ何なんだよ【カキゴーリ】って!?


「見たかったなぁ〜。脚キレイだった?スカートには素足が合う感じ?それともストッキング??編みタイ?まさかのトレンカ?」


やだ!ネネちゃん!キモチワルって言わないでね!もうビジョンで見ちゃったけど。



ほらきた!ネネ様が喋るぞ!

「カガミ君、キモチワル。」


おかしいな?実際発言したのは1回なのにビジョンのせいでダメージ2倍だよ。

さてはあの時魔法がかかったな!!コートをダメージ2



「賢い高校に行けばカキゴーリの二人見れるかもな〜あっカガミの頭じゃ無理か!」と竜二


「なんでだよ!」


そこへヒカルがスネを抑えて戻ってきた。


「だってネネ情報だと、カキゴーリの2人はあっちの中学じゃ天才って言われてるらしいよ。。。」


「まじか、内申点低いからテスト頑張るよ。」

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