第47話 遭遇期⑫ プラ回避

ハイドラのセビエドは

「エーセブン。お前もニホンゴで話せよ、あいつらを恐怖に陥れるんだ。」と言いながら

しびれを切らしたのか突然迫って来た!


エーセブンと呼ばれたクチバシマスクの男はたぶん僕らにじゃなく、セビエドに「ガキが。」と言い

更に歩いて近づいてくる。

2人の関係が見えない。


セビエドがヒカルの懐に入り腹を蹴ってくるビジョン。 普通の動きじゃない!早い!!

「ヒカル腹を蹴られる!ガードだ!」


返事する間もなくビジョン通りヒカルの腹を蹴り飛ばして背後に2~3メートル飛ばされた!くそ!!


次に両手のメスで竜二を感電させるビジョン。


狙いは竜二の生け捕りか!?僕はセビエドの伸びたメスをお尻のポケットに入れた側で突いていなす。


初めてセビエドは驚いた表情を浮かべ「何っ!!」と言って距離を置いて睨んできた。僕を敵と認定してくれたんだ。


僕は何ら。それよりもビジョンで竜二を傷つけるセビエドに本気で怒っていた。


サイダーの中身を捨てて、またキャップを閉め、僕の武器ペットボトルの軽量化を図る。


ヘイトを集めてみんなのリスクが減ってくれれば嬉しいけど。それよりもヒカルを蹴った事に対してのイライラも合わさって。僕はセビエドを睨む。


「ヒカル立てるか?!」

「ゲホッ。あぁ。」致命傷じゃないか心配だったが、僕が声をかけた時ネネちゃんが既にヒカルの所に駆け寄ってくれいた。

「お兄ちゃんは大丈夫!セビエドって奴、後ろを向いた時、体が見えなくなったの!場所的にパーカーに薄いバッテリーを積んでるかもしれない!!」

ありがとネネちゃん。


僕に向かってエーセブンが走りだして僕を蹴り飛ばし、直進。五月の頬を刃物がかするビジョン


来る!

僕は蹴りの軌道をみて、当たらないスレスレの斜め前に転がり、エーセブンの蹴り上げた空振りの足じゃない、軸足を蹴って足カックンして逃げる。


偽警官の五月が僕達に近づきエーセブンに警棒を振り下ろそうとしていた所、

セビエドが五月にメスを投擲とうてきして、牽制された。


一旦離れる四人。自分のビジョンと、竜二達のビジョンの二つを見てる余裕が無い。


「お前、何者だ?原君の友達か?普通の中学生にしては動きが妙だ。」五月さつきが、共闘してくれてる?

五月は竜二を守ってくれているのか?

この人にかけるしかない。


「五月さん!なんで嘘をついたんですか?!僕らの味方ですか?」

「あぁ?嘘??そんなんもわかるのか? まぁ俺、今無職なんだわ。見栄みえ張っちまった。」


と言いながらタイマンで迫って来たエーセブンの剣戟けんげきかわす。

なんじゃそら。でももうこれで決まったな、


「五月さん僕らを保護してください!!」


「もとよりそのつもりなんだが。」

「えぇ~~!」そーなんだ!先言ってよ!


「お前は何でその速さの攻撃を躱せるんだ??」


「話せば長いんですがまぁ、スキルって事で。」


セビエドのメス刃メスばをペットボトルで躱す僕と

エーセブンの長い刃物を警棒で防ぐ五月。

一方的な嵐の中で攻撃技を持たない僕はジリ貧に見えただろう。

でも、竜二はこの状況で諦めてはいなかった。佐井寺兄弟を庇いつつ、僕を援護しようとしてタイミングを伺っている。


ネネちゃんはヒカルを連れて渡り廊下を戻ろうとしていたが、ヒカルはまだ苦しそうだった。

佐井寺兄弟は何かを探して話している。竜二の【諦めない】リンクが、僕達を絶望に向かわせないでくれている。



セビエドはおそらく超人レベルで早い。動きも良い。フェイントもするし純粋な攻撃力は大人を殺せる力を持っている。ハイドラのすることだ、こんな子供を鍛えたのか、遺伝子操作されたのか。。。注意すべき点は 一番怖い攻撃、竜二の言う電気の装置を使いこなしている。


行動を見るうちに、右足でプラスの出力調節、左足でマイナスの出力調節をしていると予想した。

一体何段階あるんだろう。マイナスに向かえば動きが俊敏になって単純な刃物の攻撃。

プラスに向かえば動きがもっさりする。充電する時間が必要なのか??

その代わりプラスの方が長い空間を通電できるから、最高出力で挟まれたら感電するかもしれない。


ネネちゃんはそれを見て、同じ事を言ってきた

「カガミ君!!コンデンサに充電する時間がかかってるわ!今で約5秒!!竜二君を捉える時はたぶん最小出力だったから多分今プラス4段の5段階目!」


「センキュー!!」ネネちゃん!!さすがだね!!



僕も最大限に注意を払って攻撃を受け流していたが、いかんせん今日は


がビジョンを強くハッキリと見せてくれているようだった。


セビエドが焦りの中話してきた。

「お前らもだったのか!!だが、ブレイバーの一匹で十分がくる。殺しても良いよな?」とセビエドが話すが僕は殺される気なんて全く無い。


「さっきから言ってるイチゴサイダーって何なんだよ!!と言うかまずヒカルに謝れよ!!」

ダメだ血が昇ると思考回路が鈍る。


竜二は「おい!カガミ!落ち着け!うちのブレーンの豆電球が光ったぜ!!」ネネちゃんか?!って。


いつの間にか3人で固まって策を練っていた様だった。ヒカルも、動いているし、戦線離脱が出来れば僕達だけでも助かる見込みはある。逃げる方向か?


セビエドは陰でゴソゴソやってるヒカルを見つけた。

ヤバい、自分のビジョンで精一杯だった!竜二がやられる!!


「通報したら奴から殺す!」メスをまたヒカルの方に投げたが、それを庇った竜二の腕に刺さり止まった。


「竜二君!!!」「竜二!!!」「くそっ!!!」五月も気になっているようだが、目を離せる敵では無いみたいだ。


痛みのない竜二は左腕に刺さったメスを抜いて、地面に捨て僕と対峙しているセビエドを睨む。


目がキレていた。素手で殴りにかかる勢いだったが、「大丈夫よ!」ネネちゃんに優しい笑顔で素手で止血されてリンクされ、【怒り】が落ち着いた。



「竜二も落ち着け!リーダーだろ?!策を頼む!」僕は僕で攻撃は見えるけど体が付いていけない速さもあって切り傷をいくつかもらってしまった。


「あぁ悪かったな。さっき俺たちのリンクラインが繋がったよ。カガミ!お前から通信交換してもらったダサイドン!良い特性だった!」


「お?おぉ。」


何で?!なんで今パチットモンスターの話なんだ!?!

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