ごーはち ねが

 テストの鉛筆が滑る音

 かさかさしゃりしゃりと紙を滑る


 万物の熱源の一点響く

 すしゅるぱちらぱちら灼けて濁る


 ずっと。

 秘匿するちいさなメモ

 

――明滅。


 テストの鉛筆の滑る音

 かり、ざり、ぱちり。しゃり。詰まる


 立ちふさがるむつかしいもの

 それをしなさいと殴り書きだ


 窓からの光線でハレーション

 するり、どろり浮かび上がる数式逃げる


――まったくわかんない。


 テストの小さな声あたま掻く音

 ぐしゃじゃらがら長い髪はらり落ち


 この先飛び立つハトは餌を覚えて

 答えそれは全てA=BでB≠Aで不明


 ないということつまりこの眩しさ

 ぴしゃり目の中光満ちて用紙空白


――落陽。


 眠り逃避に優しくブランケット

 あの人が会えないなんていうから。

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