に えられなかったもの

鏡の前の姿 自分の顔を眺めてやる

そうすると やっぱり不足している

悩んだ末に 立派な写真を見比べて

じっくりと 医者に望みを告げよう


なにもない 自分の顔を見たままに

表現すると 空虚ばかりが頭を掠め

悩んだ末に どうして自分は醜いの

ひっそりと 自分が狂ってしまった


鏡の前の姿 自分の顔ではない何か

おもむろに 表情を作り吐気がする

悩んだ末に 写真と人形を切り刻み

ひたひたと 妄想が歩いて割った鏡


どうしたの 小さい声で突く愛娘に

腐るような 罵声を浴びせてしまう

悩んだ末に 自分を笑い慰めていた

そっけなく 顔を変える私は消えた

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