春色キセキ
シャルロット
Side: Cherry
-1-
春の夜空に浮かび上がる淡い紅色をした一面の桜。
それはとても幻想的で。でもどこか切なくて。優しいけれど苦しくなる、そんなあたしの胸をぎゅっとさせる魔法の景色だった。憧れの京都に来てから見た桜はどれも素敵だったけれど、それでもこの清水寺の夜桜には敵わない。何よりこの場所には、佳紀(よしき)との想い出がたくさんつまっていた。
「チッチぃ、顔がでろでろに溶けてんで。あんたの顔見るだけで、ごちそうさまって感じや」
横にいたヒナが呆れたように笑いながら言った。あたしは思わず両手で頬のあたりを触る。
「そんなに顔にやけてた?」
「なーんてね、冗談やで」
「良かったー」
「半分だけな」
「半分?!」
あたしの反応を面白がってあっけらかんと笑うヒナ。こういう遠慮のないやり取りは、ヒナと話すときにはいつものことだった。
「チッチって不意打ちにはめっぽう弱いよなぁ。いや、それがええとこでもあるんやけど」
「すみませんね、アドリブの出来ない女で」
「まあアドリブまで完璧にこなしたらチッチちゃうからなあ。猪突猛進というか、脇目も振らず一直線に突っ走る感じのアホさがチッチの良いトコやもんね」
「それ褒めてないから。というかフォローにもなってないし」
「してるつもりもないしな」
「ひどいー」
ニヤッとちょっと意地悪い笑みを浮かべながらヒナはあたしを宥めた。
「ま、でも、一応新歓中やしさ。あんまり呆けてたらあかんのちゃう?」
「それは……そうだね」
あたしがすっと目線を前に向けると、十数メートル先に4人の集団が見えた。新入生女子1人と上級生3人。そのうちの1人、佳紀は新入生女子の1番近くで話しかけていた。胸の中を砂嵐が通り過ぎていくようなざらざらとした感触がする。4人が人ごみの中を周りにぶつかることもなくすいすいと進んでいく姿を、あたしはぼんやりと見続けていた。
「ほんま、清水の桜は奇麗やなあ」
「でもあたしたち、これじゃただ観光に来ている人だね。新歓と言いつつ、私なんか今日はまだ全然新入生とも絡んでないし」
「ええんちゃう?清水寺の入館料は新歓費から出てるし、お得に夜桜見物できたと思えば」
「でも、なんか手持ち無沙汰だよ」
「まあ、もともとはこの班、新入生3人と上級生5人のはずやったからな。でも新入生のうち2人がドタキャンして。さすがに1人に対して上級生5人は多すぎやんな。圧強すぎて新入生もビビッてまうやろ」
「という言い訳のもと、あたしとヒナが戦線からそっと離脱したと」
「合理的かつ効率的な、勇気ある決断やで」
「言い方よ」
あたしは苦笑いしながら答えた。今日のイベントはお昼過ぎから、和菓子作り体験、軽い京都散策からの清水寺の桜の夜間拝観、そして打ち上げの焼肉会と盛りだくさんで、初めから参加しているヒナは疲れている頃合いだろう。あたしはヒナのペースに合わせて、砂利道を歩く速さを少しだけ落とした。けれど目だけは、前を歩く集団をちらちらと追ってしまっていた。そんなあたしの様子を目敏く察知して
「気になるん?旦那のこと」
と、同じく前の集団に目を向けながら、ヒナがさもいつものことだと言わんばかりに尋ねてきた。
「だ、旦那じゃないけど」
「でも顔に出てんで」
「……そんなヤバい顔してる?」
「せやな、弓矢で射貫きそうな目ぇやな」
あたしは何だか言い返せなくて、ぐっと黙り込んでしまった。すると、さっきまで軽い感じだったヒナの雰囲気が真面目なものに変わる。
「なに、喧嘩でもしたん?」
「そういうわけじゃ、ないんだけど」
煮え切らないあたしの反応を見て、ヒナがちょっと困ったように眉を下げた。おてんばな妹の面倒を見る姉のような表情だ。ほっと小さくため息をつくと、
「最近ちょっと元気なさそうやと思ってたけど、そういうことか。ええよ、清水寺を回っている間は時間あるし話聞くで」
そう言ってあたしの頭の横をぺちっと指で弾いた。
「普段は突っ走るくせに、後になって悩まなくてもええ様なところをあれこれ反省し出したりするもんな、チッチは」
「……直そうとは思ってるんだよ、そういうとこ」
「ちゃうちゃう、悪いなんて言ってへん。チッチは人一倍の気遣いぃやから、たまには素直になってくれた方がむしろ安心やわ」
こういうヒナの温かい言葉にあたしはいつも救われている。
「実はね、最近なんか佳紀さんが素っ気ない気がして……」
そしてその優しさに甘えてしまうあたしは、まだまだ子どもなんだと思う。
-2-
たぶんあれは一目惚れだった。
大学入学と同時に実家を離れて京都にやってきたけれど、遠い地での一人暮らしは正直とても心細かった。そんな中、クラスで仲良くなったヒナに誘われて訪れたのが、あたしが所属している合唱団、"YUI Choir(ゆいコール)"だった。人生初めての新歓で、2年先輩だった佳紀に出会った。
一緒にいてこんなに心地よい人がいるんだ、と本当に驚いたのを覚えてる。もともと合唱は好きだったし他の先輩たちともすぐに仲良くなれたから、YUI choirに入るのはほとんど即決だった。そしてあたしが彼に夢中になるのにも、時間はかからなかった。
「……で、チッチの話をまとめると、最近染井さんがバイトのシフトばっかりでデートしてくれなくなったり、家に遊びに行こうとしても断られたり、LINEも前みたいに相手してくれなくなった気がする、って訳やね」
「うん。佳紀さん、付き合ってからこんなこと初めてで」
一応人前では佳紀と呼び捨てにするのは避けて、みんなと同じくさんづけで呼んでいた。
「ヒナはどう思う?」
「ウチは考えすぎやと思うけどな。染井さんとチッチのことはずっと見てるけど、そんないきなり冷たくなるような人には思えへんし、あんたたちサークルでも指折りのおしどりカップルやん。多分みんなもそういう認識やで」
「佳紀さん本当に優しくて、普段はあたしにはもったいないくらい大事にしてくれるし。でもだから言わないだけで、あたし何か怒らせるようなことや困らせるようなことしちゃったのかなって」
「チッチも無自覚に人を傷つけたりするタイプちゃうし、ウチにはあんまりピント来おへんなあ。強いて言うならバイトが忙しくて、疲れてるせいでLINEがちょっと疎かになってるとかかな。てか、そもそも男なんてそういうマメなこと大の苦手やし、普段の染井さんが出来すぎてる気もするんやけどね」
「バイト増やしたのも、大きな買い物するとか聞いてなくて」
「彼女とは言え全部が全部言うわけでもないんちゃう?旅行の予定立ててるとか、ロードバイク買おうと思ってるとか。あるいは、こっそりチッチにプレゼントしようとしてるかもしれへんで」
「それはないかな」
「え、なんでなん?」
あたしの即答にヒナが不思議そうにする。
「サプライズプレゼントなんて、めっちゃありそうやけど」
「うーん、佳紀さんどっちかというと、あたしが欲しい物を一緒に買いに行くタイプだから。今までもそうだったし、最近欲しいもの聞かれた覚えもないし」
「そりゃ聞いちゃったらサプライズにならへんやん」
「そうだけど……」
あたしは歩きながらもう一度前のほうの人ごみを見やる。佳紀たちの集団はもう見えなくなっていた。
「あー……。そゆことか」
ヒナの声音にドキリとして振り向いた。でも言葉とは裏腹にヒナは優しい表情だった。
「分かった。チッチが心配してるのはあの新入生ちゃんのことやろ」
うぐっと喉がつぶれたような音が思わず漏れる。そこには触れないように話をしたつもりだったのに、ヒナは勘が鋭い。言わずに済まそうとした部分を的確に突かれてしまう。
「なるほどね。確かにあの子、新歓はほとんど皆勤賞やし、割と染井さんの傍におるし、チッチとしては嫌でも気になっちゃうか」
見透かされたのが悔しくて、あたしは目をそらした。するとヒナはさらにあたしの顔を覗き込むようにしながら、少しからかうように続けた。
「しかもえっと、エリザベスちゃんやっけ?お母さんがアメリカ人って言うてたな。モデルみたいな体形で顔もめちゃ可愛いし、外国仕込みの大胆さもあるし……」
でもそのあたしの顔を見たヒナは途中で急速に勢いを失う。
「ごめん!ごめんて。ウチが悪かった、ちょっといじめすぎたわ」
恐る恐るヒナの顔をみるあたしは、自分の目が潤んでいることも、それをこらえて口を真一文字に結んでいることも分かっていた。でもここ最近そのことばかりが気になって、ふとしたときに嫌な想像ばかりが頭をよぎるせいで、気持ちとしては結構限界が近かった。
そんなあたしの心の内を読んだかのように、ヒナはそっとあたしの頭をポンポンとなでた。
「一人で結構思い悩んでたんやな、ごめん、からかったりして悪かったわ。チッチ、普段は顔にあんまり出さへんから気づかんかった。しんどかったんやね」
「ごめんヒナ。こんなつもりじゃ、なかったんだけど」
溢れる前に涙を指で拭う。そんなあたしの頭をヒナはまだなでてくれていた。
「あかんで、あんまりため込むのは」
「うん」
-3-
あたしが落ち着くのを待って、ヒナは「さっきの続きやけどね」と始めた。
「ゆうてもそんな心配せんでええと思うよ。エリザベスちゃんが染井さん狙ってるとか、そういう感じには見えへんし。あれやろ、昔は日本で暮らしていたとはいえ、ついこの間までアメリカで過ごしてたから、言葉的な心配があるんちゃうかな。染井さん、ESS部所属しててYUI choirの中では英語めちゃ上手いから」
「でもあの子全然日本語喋れるよ。少し話した時も会話には困らなかったし」
心はだいぶ落ち着いたものの、言葉の端々に非難めいた響きが滲んでしまうのを止められない。あたしもまだまだ大人になれていない。
「それは、やから、万一のためみたいなもんよ。それに何より、そんなことで染井さんが心変わりするとは思えへんて」
「そうかなあ。あたしより素敵な女の子なんていくらでもいるよ?」
参道の途中で、ショートカットできる階段のほうを降りたあたしたちは、入り口の門の付近まで戻ってきていた。近くのベンチに座って、ヒナはうだうだと愚痴を続けてしまっているあたしの話を、嫌な顔もせずに聞いてくれていた。
「そこまで弱気になるのも珍しいな。一年前の、染井さんに猛アタックしてた時のチッチを連れてきて見せたいくらいやな」
「あ、あのときは必死だっただけだよ!」
「一世一代の大恋愛!みたいな感じで、横で見てるウチの方が恥ずかしいくらいやったわ」
「だ、だって……」
言葉に詰まるあたしにヒナがそっと聞いた。
「自分が好きになった染井さんのこと、信じられへん?」
「ううん」
あたしは首を振る。それを聞いてヒナが満足そうに笑う。
「やったら迷うことはないやん。染井さんに聞いてみたら案外大したことないってオチやで、きっと。それにあの頃言うてたやろ、チッチ」
ヒナが人差し指を立てて先生みたいに言った。
「欲しいものは絶対にあきらめない」
一年前のあたしが言った何の根拠もないけれど、強さに溢れたその言葉に、あたしはようやく少しだけ元気を取り戻していた。
-4-
「あれ、お前らいたのか」
知っている声に呼ばれた。顔を上げる瞬間、さっきまで泣きかけていたのがバレてしまわないかが気になる。けれど、辺りはもうすっかり暗くなっていて、多分大丈夫だと思う。
「丹原さん、どうしたんですか?先輩たちの班は一番に出発してたから、もう五条坂を降りている頃かと思いましたけど」
立ち上がりながらあたしは聞いた。大丈夫、声はいつものハキハキとした声音に戻っていた。ヒナもそう思ったのか、心配そうな表情が少し緩むのがわかった。
「そのはずだったんだけどな」
えっと、と頭をかく丹原さんの後ろから、丹原さんと同じ班で回っていた芝坂さんも顔を出した。
「あ!智絵里ちゃんと日菜ちゃんもおるやん!どしたん?染井君たちと回ってるんちゃうかったっけ?」
「上級生の数が多かったので抜けてきたんです。それよりららさん、なんかあったんですか?」
「私たちの班にいた新入生の子がスマホ落としちゃったみたいで。しばらくこの辺りを探してるんやけど見つからへんのよね」
「それは大変じゃないですか」
いつの間にかヒナも隣に立ってうんうんと頷いていた。
「それなら私たちも探した方がいいですよね。チッチと参拝路を戻りながら見てきますよ」
「ほんまに?人が多い方が助かるわ。お願い」
「悪いな」
芝坂さんと丹原さんに頼まれてあたしとヒナはさっき来た道を引き返した。それぞれで探した方が効率が良いとヒナに言われて、ヒナはあたしたちが通ってきたショートカットの階段を上って参拝路の前半を重点的に、あたしはさっき通らなかった参拝路の後半を探すことにした。
さすがに夜桜真っ盛りの時期だけあって、人の流れに逆行しながらスマホを探して歩くのはかなり大変だった。なるべく人の迷惑にならないようにも気を使いながら、仄暗い足元に目を凝らして歩いていく。
その人ごみの中、頭を上げた拍子に不意に佳紀の頭を見つけてしまった。
「何で見つけちゃうかな」
誰に言うでもなくひとり呟いてしまう。警察に追われている泥棒さながらに、あたしは気持ち背を屈めて俯くようにしてまた歩き始めた。スマホ、スマホ。そう思いながら歩くのに、まるで佳紀との距離に反比例するように鼓動が早くなっていた。
「……ああ、それ知ってる。深海魚の水族館やろ、有名やんね」
「ほんとですか?あそこにいるダイオウグソクムシがすごく可愛いと思うんです」
「あれ?ダンゴムシのでっかい版みたいなやつやんな」
気にしないはずだったのに、佳紀の声が自然と耳に届いてきてしまった。話している女の子の声はあの新入生の子だ。
「そんなにファンなんや。そしたらぬいぐるみとか買わへんの?」
「はい!もちろん買いました」
糸に引かれるようにあたしは顔を上げてしまった。何人かを挟んで、斜め前に佳紀とエリザベスちゃんたちが見えた。彼女が楽しそうにパチンと手を叩いた反動で、まっすぐに伸びたブロンドの髪が肩で跳ねる。あたしは自分の髪に思わず手を伸ばした。春先に切った髪は今は首にかかるくらいで、最近ようやくポニーテールに出来るようになったばかりだ。
「長い髪のほうが好きだもんね」
今の髪型もよく似合ってるって言ってくれたけど、随分前にロングヘアーが好きだって言っていたのも覚えてた。だめだ、余計なことばかりが頭に浮かんでくる。
通り過ぎていく佳紀たちから目を離そうとしたときだった。少し大きく開いた佳紀の首元に、あるはずのペンダントがないことに気づいた。
とっさのことで体が固まっているうちに、佳紀たちは人の流れに乗って進んでいき、やがて見えなくなった。さっきまでとは違って、じわっと冷や汗をかきそうな嫌な心臓の鼓動だった。ブラウスの上からあたしは首にかけたペンダントをぎゅっと握った。
佳紀とお揃いで買ったペンダントだ。指先ほどの銀製の板にそれぞれガラス細工の石が埋め込まれたもので、あたしはピンクの石、佳紀のは一回り大きな青い石だった。
どうしてつけてくれていないんだろう。今までデートの時はもちろん、サークルのイベントとか練習でも着けてくれていた。もともとは練習の時にお守り代わりに着けていたいと、初めて2人でデートをしたときに佳紀がプレゼントしてくれたものだ。それを着けなくなってしまったなんて……。
ポケットの中で揺れたスマホに気づいて取り出すと、「ごめん、バッグの中にあったって」という芝坂さんからのLINEが来ていた。その文面がゆっくりと滲んでいく。
一人ぼっちになるとあたしはどうしてこんなに弱虫なんだろう。通り過ぎていく人たちに見えないように、京都の夜景の方を向きながらあたしは小さく鼻をすすった。
-5-
夜桜見物が終わった班から、それぞれ三条の焼肉屋さんを目指すことになっていた。スマホが見つかったというLINEをもらってあたしがさっきの場所に戻ると、ちょうどヒナも帰ってきたところだった。そのまま流れで芝坂さんたちの班に交ざって、打ち上げ会場に向かう。
「あれ、智恵里ちゃんて眼鏡かけるんやね」
鴨川沿いの川端通りの交差点で待つ間に、芝坂さんがちらりとあたしを見て言った。
「時々ですけど。そんなに視力が悪いわけじゃないんで、授業のときとか映画を見るときだけです」
「あ、そうなんや。いや、眼鏡かけてるん見たことなかった気がして」
視界の端でヒナがこっちを見た気がしたけれど、あたしは何も言わなかった。多分ヒナは気づいたのだ、あたしがさっき思わず泣いてしまった目元を隠すために、必要もないのに眼鏡をかけて戻ってきたことを。何かあったことは察しがついたけれど、みんながいる手前聞かないでいてくれているのだろう。
「お、染井たちの班も追いついたんや」
お店の前についたタイミングで、丹原さんがあたしの肩越しに声をかけた。無意識にあたしは体が固まってしまう。後ろを振り返れずにいると、佳紀の声が近づいてくるのが気配で分かった。
「他の班はもう入ってるみたいやで」
「ホントですか、僕たちが最後ですかね」
丹原さんと佳紀が話しているところからあたしは少しだけ距離をとった。
「あ、チッチさん!」
可愛らしい声に呼ばれて声の主を見ると、エリザベスちゃんが手を振りながら近づいてきた。
「この前の練習のときはありがとうございました。あのとき丁寧に教えてくださって、私合唱はほとんどやったことがなかったんで、すごく勉強になりました」
あたしを見るなり、一昨日の新歓練習のときのお礼を言ってくれた。イントネーションにも変なところがなくて、至って普通の日本語だった。
「いえいえ、そんなことないよ。普通に上手だったよ」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
パッチリとした瞳でまっすぐにあたしを見る。やめて、今のあたしはそんなに迷いのない目で射抜かれたら、見透かされてしまいそうなんだから。
「ほら、みんな入るぞ」
丹原さんに呼ばれて、店先に居たあたしたちも中へと入った。その時、佳紀が一度あたしを振り返った。何かを言いたげに口を開く。でもあたしはそれに気づかないふりをして、佳紀を追い越して店内に入ってしまった。
「大丈夫?」
あたしと佳紀の間にあった微妙な空気を感じ取ってヒナが聞いた。
「うん、あとでちゃんと聞く」
今はだめ。まだ新歓だから。あたしは頭に浮かぶあれこれをぐっと抑え込んで、2階の会場に足早に向かった。
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