第2話 料理

「どこから見た?」

俺は正直に桃坂カスミの質問に答える。

「えー、「それじゃあ!」ぐらいからです」

俺は桃坂カスミが言ったことを声真似した。

すると、桃坂カスミは顔を真っ赤にし、手で顔を覆う。

と桃坂カスミは思い出したかのように問いかける。

「ところであなた誰?」

「今日ここに引っ越して来た進藤拓也です」

俺は自己紹介をした。

「今日からここに住むってことよね?」

「そうですけど・・・なにか・・・」

俺はなにか問題があるのか聞くと、

「料理できる?」

「一応出来ますけど・・・」

俺はそんなにこった物は作れないが、ハンバーグとか唐揚げは作れる。でもなぜ。

「実は、私ずっとカップラーメン生活してたのよ」

「もしかして、料理作れない?」

「わ、悪い?女子はみんながみんな作れるわけないからね」

俺はなにか怒らせること言ったか?女子はよく分からん。

そう言えば、名前聞いてなかったな。それになぜさっき叫んでたのかも聞きたい。

「えーと、あなたの名前は?」

「っていうか、敬語じゃなくていいよ。同い年ぐらいじゃない?」

俺の質問を無視した。

「あ、わかった」

「あ、そうだ、名前ね、私は桃坂霞って言うの。」

桃坂霞と覚えた。

俺の脳内にインプットした。

「あともう1つ聞きたいんだけど、なんでさっき叫んでたの?」

俺の質問に対して霞は

「あ、まぁ、言ってた方がいいのかな、一緒に住むし、それに・・・」

「それに?」

「あ、いやなんでもない。」

「それに」が気になったが今は叫んでた理由だ。

「実は私、VTuberなの」

VTuber・・・?なんか聞いたことある。

「顔出しはしないでアニメキャラになって、配信するってやつ。」

「あ、なるほど・・・」

YouTubeでときどき見るな。

「料理して」

霞は言った。俺はシェフじゃないぞ、と言いたいとこだが、どうやら彼女はちゃんとしたご飯が食べたいらしい。

「いいぞ。なにが食べたい?」

「うーん、カレー、ハンバーグ、ナポリタン、ハンバーガー、寿司・・・それに」

「ちょっと待て待てそんな食べ切れるか?」

太るぞ、と言いたいところだが、さすがに女子の前では言えない。多分殴られるだろう。

「んー、迷う」

「どれか1つな」

「それじゃあー、ハンバーグ!」

「わかった、待ってろ、作って来る」

と俺は言うと、霞は、

「私も手伝う」

と言って、一緒に台所に向かった。

俺は野菜を切りながら、霞と話していた。

「実は私、料理できる人好きなんだよねー」

俺は顔を赤くするが頑張って隠した。

「そ、そうか」

俺は話を変えるべく違う話を始めた。

「ところで霞さんはVTuberの方はどんな名前でやってんの?」

「桃坂カスミって名前で活動してる」

「本名じゃないですか」

「違うよ、本名は「かすみ」を漢字で書いて桃坂霞、VTuberでは「かすみ」をカタカナで書いて桃坂カスミ。」

なるほどな。

「それに、「霞さん」じゃなくて、霞でいいよ。私も拓也って呼ぶから。」

まぁいいか。

「わかった」

俺はハンバーグを焼きながら言った。

いろいろ話している間にもハンバーグは出来た。

俺は皿に盛り付けたハンバーグを霞がいる台まで運ぶ。

「俺特製のスペシャルハンバーグでーす」

俺は自慢げに言うと、霞はとても可愛い表情で、

「うわーすごーい!いただきまーす」

霞は手を合わせて言った。

「どうぞ、召し上がれ」

と俺は返した。

「どうか上手いか?」

俺は霞の表情を見た。可愛い。

「おいしい!拓也!」

そうか、それは良かった。


俺と霞はお腹を満たすと、それぞれの部屋に戻る。

「それじゃあーまた明日」

「おーう」

俺は言って今日の別れを言った。

明日は遂に入学式だ。

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