オモテはとても清楚な彼女、ウラはVTuberの桃坂カスミ
風凪漆黒
第1話 ~とてもとても面白いラブコメの始まり~
桃坂カスミと出会ったのはつい先日のこと。
俺は親のもとを離れて、少し遠い学校に入学した。
「ここか・・・」
俺は今ある人の家の前にいる。そこは親の友人の家。桃坂、という人の家。
手に持っていた地図をみた後、家を見た。
「豪邸・・・」
俺は親がなんでこんな豪邸を持っている人と知り合いなのか知りたくなってきた。が、これはまた今度。
俺は恐る恐るインターホンを押す。
ピンポーンとインターホンから聞こえる。
「はい。」
向こうからは声が低く、大人の男の人のような声が聞こえてきた。
「進藤です。」
俺は自分の名前をなると、
「進藤くん、待っていました。どうぞ中へ。」
男の人が言うと、大きな門がガラガラと開く。
俺はそのまま敷地に入っていく。
広い庭に噴水。豪邸だ・・・。
俺は今日からここで寝て、ここから学校に行き、帰って来て、ここで食事をする。
めっちゃどきどきする。
俺はそんなことを考えながらも、いつの間にか家の扉の前に着いた。そこには、この家の主であろう人。スーツを着た男の人。
「ようこそ、進藤くん。」
俺を迎えてくれたのは、桃坂さん。この家の主。
「こんにちは。今日からお世話になります。」
俺は一礼をすると、桃坂さんは家と案内してくれた。
廊下を歩いていく。
「今日から君がこの部屋を使うといい」
部屋のドアの前で言うと、あと、と桃坂さん続けて言った。
「私は別荘にいる」
「別荘?」
「あぁ、私は基本別荘に住んでいるんだ。だからここはゆっくり過ごせばいい。」
別荘ってめちゃくちゃ金持ちじゃんと思いながら話を聞いていた。
ん?俺ここ1人?そう言えば廊下を歩いてる時は1人も見かけなかったな。
「それじゃ私は仕事に戻るね」
そう言って、桃坂さんは仕事に戻って行った。
俺はまず荷物を部屋に置くと、この家がどれだけ広いか気になるので探検的なのを初めて見る。
「まずはこの部屋」
扉を開けるとそこは、空っぽの部屋。
「なんだ、なんかあると思ったけど」
そのまま廊下を歩いて行こうとした。とその時、
「それじゃあ、みんな!また明日ね!」
1個奥の部屋でとても大きな女の人の声がした。
なんだなんだ!?と思いながらも、その部屋の前に立つ。
俺は少し扉を開け、その隙間から覗くとそこには、1人の少女。サラサラの桃色の髪に、透き通る瞳、スラッとした体。
「桃坂カスミでした!また明日も配信するからね!バイバイ!」
また大きな声が響く。
俺はそのままずっと少女、桃坂カスミという人を眺める。
と桃坂カスミはこっちに気づいてしまった。
俺はなぜか咄嗟に扉を閉めた。
すると、バタバタと部屋を走り回る音が聞こえ、桃坂カスミは扉を開けた。
「見た?」
「見た」
俺と桃坂カスミが初めて会話した言葉は「見た」だ。
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